貴船(きぶね)は、左京区北西部の貴船川に沿った山間部一帯の地名
清遊地には、貴船川に面して、川床料理が楽しめる料理旅館が並んでおり、京の奥座敷とも称される
夏は、市街地より4度程涼しといわれる
春は、桜の名所
秋は、紅葉の名所
木生根(木が生い茂る)がなまって貴船となったといわれる
近世は丹波からの炭の集荷、中継地として栄えた
貴船川対岸の山が鞍馬山
1949年(皇紀2609)昭和24年
京都市に編入される
<貴船神社>
古来から水の神様として朝廷・公家・文人などの崇敬を得ている
<貴船川>
貴船川は、全長約3km
鴨川・淀川の源流の1つ
初夏には、源氏蛍が乱舞する
鮎・岩魚(いわな)・虹鱒(にじます)など清流のみに生息する川魚が棲んでいる
<梶取社(かじとりしゃ)>
貴船神社の創建の由来となった、玉依毘売命が船にのり、淀川・鴨川をさかのぼり、
貴船口から貴船に至ったとされるときに、巧みに舵を操られた梶取の神様が祀られている
<蛍岩(ほたるいわ)>
貴船口から100mほど上流
平安時代の女流歌人 和泉式部が、貴船神社に参詣して恋の成就を祈願し、
「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る」と詠んだといわれる辺り
6月下旬ごろから7月上旬に蛍の乱舞を見ることができる
<烏帽子岩(えぼしいわ)>
観光バス駐車場のすぐ下流
かつて、大宮人が烏帽子(えぼし)を下して冷水を浴びて身を清めたところ
<御神木の桂>
貴船神社の御神木(ごしんぼく)の桂は、樹齢400年、高さ30m
根元からいくつもの枝が天に向かって伸び、上の方で八方に広がっている
<船形石>
御神木の桂の隣にある
玉依毘売命が、淀川・鴨川をさかのぼってきた黄色の船
<石庭(せきてい)>
古代の人々が神祭をおこなった神聖な祭場「天津磐境(あまついわさか)」をイメージして作られた石庭
重森三玲(しげもりみれい)の作庭
貴船名石保存のため、すべてを貴船石で石組みされている
貴船川の貴船石は、緑色や紫色の水成岩で、庭石・盆栽石の名石として利用される
庭全体が、船の形になっており、中央の椿の樹が船のマストで、神が御降臨になる神籬(ひもろぎ)とされる
<鈴鹿谷>
貴船神社本宮から北参道を下ったところ
小さな橋が架かっており、谷の側に貴船神社末社 鈴鹿社がある
<貴船神社 結社(ゆいのやしろ)>
貴船神社本宮より上流300mのところ
山側の小高い地にあり、本宮と奥宮の中間にあるため「中宮(なかみや)」とも称される
えんむすびの神様
<天の磐船>
長さ3.3m、舳先の高さ1.5m、幅1m、重さ6トンの船形の自然石
貴船の山奥で見つけられ、結社 御祭神 磐長姫命の御料船として結社境内に納められた
<相生の大杉>
結社と奥宮の間にある
樹齢1000年ともいわる、同じ根から生えた2本の杉の大木が寄り添っている
<思ひ川>
奥宮の参道の入口に架かる橋
貴船神社本宮が奥宮にあったころ、参詣する時に禊(みそぎ)をして心身を清めた御物忌川(おものいみかわ)があった
和泉式部が、参拝して恋を祈願したことから、「おものいみ川」が「思ひ川」に変わったといわれる
<つつみが岩>
結社と奥宮の中間にある
紫に輝く貴船石で、形状が整った、古代火山灰堆積の模様を表した巨岩
高さ4.5m、重さ43トン
<貴船神社奥宮(おくみや)>
貴船口から2.5Km、貴船神社本宮から500mのところにある
<雨乞の滝>
貴船神社奥宮手前の貴船山中にある三段の滝
かつは、ここで雨乞い神事が行われており、禁足地(きんそくち)になっている
<鏡岩(かがみいわ)>
貴船山の中腹にある
いくつかの大きな岩が積み重なって中央が室となっている
貴船神社ができる以前の古代の祭の場である磐座(いわくら)で禁足地(きんそくち)になっている
<歌枕>
<秋明菊>
貴船に多く自生していたため「貴船菊(きぶねぎく)」とも称される
<川床(かわどこ)>
夏場の納涼に、貴船川の川面に手が届きそうな高さに床が設けられ、季節の「川床料理」を楽しむ納涼床
貴船の風物詩となっている