京都盆地は、かつての山城国の全域を含む広大な盆地
東・北・西の三方は山に囲まれ、南は、木津川市と奈良市の府境を東西に延びる平城山丘陵(ならやまきゅうりょう)がある
京都盆地を南北に流れる鴨川は、50m以上の高低差がある急こう配で、北側の北山通と南側の東寺五重塔が同じ標高になる
古墳時代5世紀頃から、農耕技術に優れた秦氏や賀茂氏などにより開拓された
<川>
北域では、丹波から桂川が、北山から賀茂川、高野川が合流して鴨川になる
南域では、琵琶湖より宇治川が、三重県伊賀市から木津川が流れ込んでいる
これら桂川・鴨川・宇治川の3つの川が、八幡市の幸橋付近で合流し、淀川となる
淀川は、約900もの大小の河川と合流しながら大阪湾に注がれる
<断層>
京都盆地は、三峠断層帯・西山断層帯・有馬-高槻構造線・花折断層など、いくつもの断層の運動からできたといわれる
東西の山地は、断層で切られて中央が落ち込み盆地となっている
十条あたりでは地下200mあたりに基盤岩があり、その上に、大阪層群など100万年前以後の新しい地層がたまっている
巨椋池のあたりでは、地下700mあたりに基盤岩がある
地下約190mほどのところにある80万年前のアズキ火山灰層が、伏見の丘陵にもあり
80万年の間に約240mほどの高さに差ができたといわれる
<高低差>
北山の南端の深泥池、北山通あたりの標高が約75m
市街地南部の東寺のあたりの標高が約24m
市街地北部と南部とで標高差が約50mと大きく、北山通と東寺五重塔とほど同じ高さとなる
<地下水>
京都盆地の地下には、琵琶湖の約80%に相当する地下水があるといわれる
京都は、昔から名水の地で、多くの泉や井戸があった
最近は、地下鉄などの開発で、水の出が悪くなっているといわれる
京都盆地には、都の発展、京野菜の発展、日本庭園の発展、自然観光の発展のための好条件がそろっていた
<京野菜>
京都には、京野菜の育成のための好条件がそろっていた
・四季の移り変わりが明瞭であること
・昼夜の温度差が大きいこと
・太古に湖底であったため、京都盆地に地下水が豊かに蓄えられていること
・三方の山から流れ出てくる花崗岩の風化した砂質土や粘質土などの豊かな土壌となっていること
<庭園>
京都では、伝統的な庭園が寺院、離宮、宮廷、茶室などと共に数多く造営され、
時代によりさまざまな様式の庭園が生まれ、日本の庭園文化の中心となっている
その要因は、
・京都の地形が盆地であって大小さまざまな清流に恵まれていた自然的条件があったこと
・三方を美しい山に囲まれ、ほどよい起伏の林や丘、池、湿地が多くあったこと
・チャートやホルンフェンス、花崗岩など豊富な種類の岩石が産出したこと
・庭園に適する植物の種類も量も豊富であったこと
・長らく日本の政治・文化の中心であったこと
などがあげられる
<京都一周トレイルコース>
京都の自然観光として、京都盆地の三山を一周するコースが設けられている