深泥池(みぞろがいけ)は、京都盆地の北にある周囲約1540m、面積約9.2haの小さな池
「みどろがいけ」とも称される
中央には浮島がある
深泥池に流れ込む川はなく、栄養分の乏しい雨水や地下水が池の水になっている
水質は貧栄養で、水温との関係で有機物の分解が進まず、池の底にはミズゴケなどが泥炭となって堆積している
3万年から1万年前の氷河期時代のミツガシワやホロムイソウなどの動植物が生きている化石として生育し、
多くの水生植物、昆虫、魚類、野鳥等が生存し、学術的にも貴重な池
池の中央に、池全体の1/3の面積を占める浮島があり、下には水の層がある
浮島は、水温や水質の関係で有機物の分解が遅く、枯れた植物が分解されずに堆積し、
その上にミズゴケや種々の植物が生育している
堆積した植物の層が分解の際に発生するメタンガスで浮き上がって浮島となっている
浮島は、季節によりメタンガスの発生量で上下に変動し、夏には浮かび上り、冬は沈んで冠水する
<シュレンケ>
冬に冠水する平坦部分
ミツガシワや杜若などが生育する
<ビュルテ>
冬に冠水しないやや高い部分
赤松(アカマツ)、ネジキなどの樹木が繁茂している
高山や日本北部に見られる北方寒冷地の動植物が生育する
春
<ミツガシワ>
氷河時代から生き残っている北方寒冷地の植物
3月末頃からつぼみを水面上にだし、4・5月にかけて白い花を咲かせる
<杜若>
白色の花を咲かせる(大田神社の杜若は紫色)
<じゅんさい>
初夏から秋にかけて、水面に葉を浮かべ、暗紅紫色の花を咲かせる
<ヒメコウホネ>
水面に大き目の葉を浮かべ、夏に黄色の花を咲かせる
<タヌキモ>
ジュンサイやヒメコウホネが生育している水中に繁殖する
初夏から初秋にかけて水面上に黄色の花を多数咲かせる
ホロムイソウ
菖蒲(あやめ)
トキソウ
モウセンゴケ
ミズゴケ
ハナダカマガリモンハナアブ
秋
紫のサワギキョウ
50種以上のトンボが生息する日本有数のトンボ生息地(日本全体では約200種が分布)
野鳥の楽園として、100種類以上の留鳥や渡り鳥が見られる
<豆塚伝説>
鬼が、貴船の奥から地下道を通り、深泥池の畔より出て世間を騒がせていたところ
鬼が嫌う炒り豆を、穴に投げ込んで撃退したといわれる
<深泥池地蔵(みぞろがいけじぞう)>
現在、上善寺に祀られている鞍馬口地蔵のこと
明治時代
神仏分離令による廃仏毀釈まで、もともと深泥池の傍におかれていた
京の六地蔵の一つ
<東寺との高低差>
京都の地形は、北に高く、南に低くなっており、東寺との標高差は約50mほどある
深泥池あたりの標高は約75m
東寺のあたりで約24m