足利義輝(あしかがよしてる)(Yoshiteru Ashikaga)

室町幕府第13代征夷大将軍

生年:1536年(皇紀2196)天文5年3月10日
没年:1565年(皇紀2225)永禄8年5月19日
享年:30

父親:第12代将軍 足利義晴
母親:御台所(関白 近衛尚通の娘)

幼名:菊幢丸(きくどうまる)、後に、義藤(よしふじ)

在職:1546年(皇紀2206)天文15年12月20日−1565年(皇紀2225)永禄8年5月19日

足利宗家第20代当主

 足利義輝(あしかがよしてる)は、戦国時代の室町幕府第13代征夷大将軍

 応仁の乱の後の、父親 第12代将軍 足利義晴と細川晴元の権威争いの争いで、近江に逃れている最中に
 11歳で第13代将軍となり、29歳のときに、京都を制圧した三好政権の松永久通と三好三人衆に暗殺された

 その間、管領 細川家の内紛や、三好家・松永家らの覇権争いで、たびたび、近江坂本や朽木谷に逃れる

 三好長慶と和睦した後に京都に戻り、名ばかりだった将軍と幕府の権力回復に努める

【足利義輝の歴史・経緯】

【足利義輝】

 ルイス・フロイスの「日本史 第65章」によると
 義輝を「とても武勇すぐれて、勇気ある人だった」と評している

 「信長公記」によると
 織田信長は、義輝の朝廷軽視が、将軍の権威復活がならず、非業の死の原因であると述べたといわれる
 義輝は、将軍就任から18年間にわたり昇叙されなかった

 三好政権による主君殺害は、多くの大名や朝廷、一般庶民をも憤慨させたといわれる


 <剣術>
 義輝は、剣豪 塚原卜伝(つかはらぼくでん)から指導を受けた直弟子の一人
 奥義「一之太刀」を教わったといわれる

 ルイス・フロイスの「日本史 第65章」によると
 「義輝は自ら薙刀を振るって戦い、人々はその技量の見事さにとても驚いた」と記されている

 「信長公記」には
 「数度きつて出で、伐し崩し、数多に手負わせ、公方様御働き候」と記されている


 <キリスト教>
 ガスパル・ヴィレラにキリスト教の布教を許可する
 正親町天皇が、京都からイエズス会を追放するよう勅命するが、義輝は無視して保護する


 <幕府権力と将軍権威の復活>
 諸国の戦国大名との関係性を保つため、大名同士の抗争の調停を頻繁に行った
   1548年(皇紀2208)天文17年 伊達晴宗と伊達稙宗
   1550年(皇紀2210)天文19年 里見義堯と北条氏康
   1558年(皇紀2218)永禄元年 武田晴信と長尾景虎
   1560年(皇紀2220)永禄3年 島津貴久と大友義鎮
                 毛利元就と尼子晴久
   1561年(皇紀2221)永禄4年 松平元康と今川氏真
   1563年(皇紀2223)永禄6年 毛利元就と大友宗麟
   1564年(皇紀2224)永禄7年 上杉輝虎(長尾景虎改め)と北条氏政と武田晴信 など


 <辞世の句>
 「五月雨は 露か涙か 不如帰 我が名をあげよ 雲の上まで」

【足利義輝ゆかりの地】

 <秀隣院庭園(しゅうりんいんていえん)(国指定名勝)>
 京都を追われて5年間を過ごした近江朽木(くつき)の居館に、銀閣寺の庭園を参考に造営したといわれる


 <斯波氏武衛陣・足利義輝邸遺址
 武衛陣は、室町幕府 管領 斯波義将(斯波氏5代当主)の邸宅で、現在の平安女学院の敷地一帯の地にあった
 同じ地に、足利義輝の屋敷が築かれ、室町幕府の拠点が移された
 後に、大規模に拡張され、石垣で囲まれた城郭風の外観となり、旧二条城とも称される

 <二条御所跡
 足利義輝の屋敷が、後に、大規模に拡張され、石垣で囲まれた城郭風の外観となり、旧二条城とも称される


 <妙覚寺
 一時期、将軍 足利義輝の御所となる


 <相国寺 光源院
 足利義輝が死去してその菩提寺となり、足利義輝の院号により「光源院」と改称される

 <若宮八幡宮社
 応仁の乱で荒廃していたところ、足利義輝や足利義昭の発起により、諸国の武家に寄付を募って再建される

 <大圓寺
 足利義輝の帰依を受け、この地域の学問所として多くの学僧が集まり影響力を持った


 <等持院
 足利義輝木像が安置されている

 <京都造形芸術大学
 土佐家資料の中に、源弐(土佐光吉)が写したという頭部の下絵(紙形)がある

 <童子斬り安綱(国宝)>
 源頼光が酒呑童子を斬ったとされる太刀
 安綱は、平安時代末期における伯耆国の名工で、銘が残る最も古い刀工の一つ
 室町時代以来、足利将軍家が所有していたが、足利義輝のときに織田信長の手にわたり、豊臣秀吉を経て、徳川家康に移る
 現在は、東京国立博物館に収蔵されている

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