陀枳尼尊天(だきにそんてん)は、建仁寺境内の北西にある、建仁寺の塔頭 興雲庵の鎮守社
豊川稲荷とも称される
<陀枳尼尊天(だきにそんてん)>
裸身で虚空を駆け、人肉を食べるというインドの魔女「ダーキニー」
ヒンドゥ教やインド仏教に取り入れられた
平安時代初期
日本に真言密教とともに、閻魔に仕える奪精鬼として、半裸で血器や短刀、屍肉を手にする魔女の姿で伝えられた
その後、白狐にまたがり、手に剣、玉を持つ天女に変化する
性格が狐と似ているところから稲荷信仰と神仏習合する
強い性格から戦国武将により城の守護神としても祀られた
一度お祀りすると、その信仰を続けなければ厳しい罰が下るといわれる
堅固な信心あれば一切の願望がことごとく成就するといわれる
<本堂>
白狐にまたがり、手に剣・玉を持つ陀枳尼尊天像が祀られている
脇には、伏見人形の西行坐像、布袋像、神棚下にも布袋像など複数祀られている
<秋季大祭>
11月22日
<故事>
興雲庵 中興の祖 三江紹益の両親の家に跡取りがいないことを嘆き、精進潔斎、丹誠を尽くして陀枳尼尊天に祈願する
満願の暁に、金輪の玉が飛来してきて、口の中に入る夢を見る
その後、玉のような男子を授かる
赤ん坊が、右手に何かを握っているのに驚き、手を開けてみると、観音経普門品の偈の一句が記された紙片を握っていた
両親は、陀枳尼尊天の霊験信心のご利益だと感銘して、深く信仰したといわれる
その赤ん坊が、三江紹益である
三江紹益大和尚は、堅固な信心あれば一切の願望がことごとく成就すると、生涯の守護神とされる