稗田野神社(ひえだのじんじゃ)は、亀岡市にある、約3000年程前から祀られていたとされる神社
古くから、婦人の守り神、癌封じの神として信仰されている
三柱の御祭神のうち、二柱が女神
<保食命(うけもちのみこと)>
穀物の起源神
五穀豊穣、食を司る女神
伊勢神宮の豊受大神宮(外宮)に祀られる豊受大御神と異名同神
<大山祗命(おおやまずみのみこと)>
山を司る神
日本最長寿の岩長姫、日本最美人の木花咲耶姫命の父神
婦人の守り神とされる
<野椎命(のづちのみこと)>
野を司る神
田畑の作物を守護する女神
<本殿>
1990年(皇紀2650)平成2年
江戸時代中期の社殿(京都府登録文化財)を全焼
1992年(皇紀2652)平成4年
室町時代の簡素な様式に、平成の趣をくわえた様式の社殿が設計され再建される
<石の環くぐり>
願い事をハッキリと強く念じながらくぐると、万物を産み成す産霊神(むすひのかみ)のご神徳を得て、
願い事をかなえるための気力を授かるという石の環
<大鳥居>
1970年(皇紀2630)昭和45年
京都において平安神宮に次ぐ大鳥居として建立される
高さ、約13m
<摂社 春日神社>
奈良 春日大社より勧請された建御雷之男神、天児屋命が祀られている
<摂社 恵比須神社>
大阪 今宮戒神社より勧請された事代主神(えびす神と習合)が祀られている
<摂社 稲荷神社>
伏見稲荷大社より勧請された宇迦之御魂神が祀られている
<京式八角石燈籠>
神殿の南側堀内にある
源義経により奉納されたといわれる燈籠
鎌倉時代の作
<円形本殿礎石>
本殿の礎石だった貴重な礎石
鎌倉時代の作
<健康の庭・長寿の滝>
亀岡市の名水が、神殿の中を潜り、霊験あらたかな長寿の御幸水となって滝の口から噴出している
<和銅禊の池>
創設当時、里人が、この池に禊ぎをして豊作と無病息災を祈願したといわれる池
現在でも、手を浸けて禊ぎをされている
<必勝願掛け石>
意欲と気力を授かる石
石に両手をあてて願掛けする事により、石に秘められた気力が得られるといわれる
<御神木>
樹齢1000年以上といわれている3本の檜の古木
鎮守の森には、檜や、杉、樫の木、榊などの木も生茂っている
<土盛り>
鎮守の森の中央の土盛り
約3000年程前の弥生時代に、祭祀されていた跡といわれる
<月次祭(つきなみさい)>
毎月1日午前7時より
<歳旦祭> 1月1日
<節分祭・除厄祭> 2月節分
<祈年祭> 3月6日
<癌封治祭> 5月3日
<大祓> 6月30日
<丹波佐伯郷燈籠祭(たんばさえきとうろうまつり)(無形民俗文化財記録保存)>
8月14日
付近の神社と四社合同で行われる、お盆の精霊送りと五穀豊穣祈願が合わさった珍しい祭
国の無形民俗文化財記録保存として登録され、京都府無形文化財として指定されている
鎌倉時代初期
1229年(皇紀1889)寛喜元年
後堀河天皇から賜った五基の神燈籠と、神輿の追いかけっこ(燈籠追い)、
神輿と大太鼓の掛け合い(太鼓掛け)などの勇壮な神事、
台燈籠で、背丈30cmほどの日本最小の串人形(京人形)の人形浄瑠璃による歌舞伎の演劇などが行われる
江戸時代中期以降に、丹波の大祭となる
かつて、「宇治の県(うじのあがた)は男が通う 男寝て待て女が通う 丹波佐伯郷(たんばさえき)の燈籠まつり」といわれた、
「女の夜這いの祭」であったといわれる
(「宇治の県」とは、縣神社のこと)
7月初旬より祭の準備が行われ、
宮司により、五穀の種子を苗代に播き、五穀の苗が発芽させる
この実生の苗が、御祭神「保食命」の分け御霊(わけみたま)として、祭礼の中心となる
<例祭> 10月23日
<七五三参り> 11月15日
<ゑびす祭> 11月20日
<お火焚祭> 12月15日
<大祓> 12月31日
<癌封治瘤の樹>
古くより、樫の木には、悪病を吸い取る霊木といわれ、コブや吹き出物を取るなどといわれる
また、悪しき物を吸い取るという事から、不幸や災いを吸い取るともいわれ、
近世では、癌(ガン)を吸い取ると信仰されている
癌にかかった樫の木のコブを一心に撫でることにより、悪病・癌病を封じてくれるといわれる