市比賣神社の祭神は、全て女神様が祀られていて、女性の守り神社とされる
女人厄除け・女人守護・子授け祈願・安産祈願など女性の願い事にご利益があるといわれている
「市比賣」の「市」は市場の意で、現在も、京都中央市場の守護神とされ、京都中央市場に分社が祀られている
3月3日の桃の節句には、人が雛人形になる「ひいな祭」が行われる
境内の天之真名井の水は、京都の7名水の一つで、歴代天皇の産湯に用いられ、現在も名水として茶会等に用いられる
以下の五女神が祀られており、女神だけが祀られている神社は珍しいとされる
神大市比賣命(かみおおいちひめのみこと)
多紀理比賣命(たぎつひめのみこと)
市杵嶋姫命
多岐都比賣命(たぎりひめのみこと)
下照比賣命(したてるひめのみこと)
商売の繁栄を加護し、子供の成育と女性を守護し、女性だけの厄除けの神とされ、古くから女人厄除祈祷所として
全国の女性の信仰を集めている
<本殿>
神社建築としては珍しく、皇室守護のために御所の方向に向いて北向きに建てられている
<天之真名井>
京都の7名水の一つ
清和天皇から後鳥羽天皇の27代の間は、皇室や公家の崇敬が厚く、
神宝天目椀「天之八塩(あめのやしお)」でくみ出された「若水(わかみず)」が、歴代天皇や皇子や皇女の産湯に用いられていた
現在も名水として茶会・花展・書展などで用いられている
一願成就の御神水とされ、絵馬を掛けて天之真名井のご神水を飲んで手を合わせると、心からの願い事が一つだけ叶うといわれる
<手水舎「瀞(すがすがしい)」>
「瀞」は「清」「浄」の文字の組合せで、「自分の心をすがすがしくしなさい」という意味を表す
<カード塚>
1988年(皇紀2648)昭和63年
期限の切れたカード型のお守りを納める場所として作られる
いつの間にか、クレジットカードなどあらゆるカードが納められるようになった
病気と縁が切れるようにと、病院の診察券なども納められるようになる
9月9日には、カード感謝祭が行われる
<願掛け絵馬>
<摂社 植松稲荷社>
祭神:植松稲荷大神・松玉稲荷大神・光玉稲荷大神
<衆霊殿(しゅうれいでん)>
祭神:大国主命・花山天皇・恵比寿大黒神
<御神像 二体>
花山天皇の勅作といわれる
藤原冬嗣・弘法大師の作ともいわれる
御神像が祀られる神社は珍しい
一体は、子供を抱いた女神像も珍しいもの
江戸時代後期
大飢饉以来、御扉が開じられ秘像とされる
1993年(皇紀2653)平成5年
御鎮座千二百年の式年大祭で一般公開された
現在は、京都国立博物館に寄託
<狛犬一体>
等身大の寄木造
桃山時代の作
<御神鏡一面>
1250年(皇紀1910)建長2年
後深草天皇の寄附
<天目枕>
勅名「天之八塩」
<劔鉾一基>
菊龍鉾
1831年(皇紀2491)天保2年
<月次祭> 毎月13日 午後1時
<歳旦祭> 1月1日
<女人厄除祭> 2月節分
<ひいな祭>
3月3日
神事は市比賣神社で行われ、行事は、すべて近くの「ひと・まち交流館」で行われる
人間が、内裏雛などに扮した「ひと雛」が、特大の雛壇に座る
五人囃子の雅楽に合せ、三人官女が桃の花をかざし、舞などが披露される
十二単や束帯の着付け実演、投扇興や双六・貝合せなどの王朝遊び、ひな茶の接待なども行われる
<京都中央市場春祭> 4月15日
<春季大祭・市比売祭(いちひめさい)>
5月13日
「斎矢神事」
お供えをした参拝者の的に矢が射られ、矢が当たった人にその矢が1年間預けられ願いが叶うといわれる
<水無月祭(人型流し)> 6月30日
<重陽祭・カード感謝祭> 9月9日
<秋季大祭・火焚祭> 11月13日
<京都中央市場秋祭> 12月11日
<五十日百日之祝」(いかももかのいわい)>
生後50日目か100目に、市比賣神社より「五十日餅」「市之餅(いちのもち)」を授かり子供の口に含ませ、健やかな成長を祈る
平安時代後期頃から、皇族や公家で行われ、現在の「食べ初め」の発祥といわれる
源氏物語など多くの古典文学にも記されている
<姫みくじ>
だるま形の人形をしたおみくじ
<おとう鈴>
トイレのお守り
鈴の清々しい音色が不浄を祓うといわれる
建物の東方にトイレを建てると家が栄えるといわれたことから「御東」と称されたのが「おとう」の名前の由来
現在でも、宮中ではトイレのことを「おとう」と称される
古来より、妊婦がトイレを掃除すると安産で元気な子供を授かるといわれ、お七夜の夜は子供をトイレに連れて健康を祈願する慣習がある