荒祭宮(あらまつりのみや)は、伊勢神宮の皇大神宮(内宮)の境内別宮
正宮の北西、やや小高い所にある
天照坐皇大御神の荒御魂(あらみたま)が祀られている
別宮とは「わけみや」の意味で、正宮に次ぎ尊いとされ、内宮の10の別宮のうち第一別宮とされる
<天照坐皇大御神荒御魂(あまてらしますすめおおみかみのあらみたま)>
時に臨んで、天照大御神の力強く勇猛な神威をあらわす荒御魂(あらみたま)が祀られている
穏やかで柔和な面をあらわす和魂(にぎみたま)が正宮に祀られている
正宮の北西にある内宮の第一別宮として祀られており、
正宮に続いて、すぐにほぼ同じ祭事が行われ、奉幣の儀には正宮と同じく勅使が参向する
神御衣祭は正宮と荒祭宮だけで行われる
決断の必要なときや、力強い働きに対してご加護をいただくために参拝されている
正宮の北方、やや小高い所にある
<社殿>
内宮に準じ、内削ぎの千木と、6本で偶数の鰹木を持つ萱葺の神明造
南面している
行2丈1尺2寸(幅6.42m)、妻1丈4尺(奥行4.24m)、高さ1丈4尺8寸(4.48m)と、
他の別宮よりも大きく定められている
<古殿地>
遷宮のための敷地は、東西に隣接している
<荒祭宮遥拝所>
荒祭宮に参拝できない人のために、籾種石の近くに石畳の遥拝所が設けられている
<踏まぬ石>
正宮から荒祭宮へ向かうときに降りる55段の石段の途中、下から数えて14段目の真ん中に、
4つに割れている石があり、割れ目が「天」という字に見えるため、天から降ってきたといわれる
内宮正宮に準じた祭事が行なわれ、神饌の種類や数量は正宮とほぼ同等
祈年祭・月次祭・神嘗祭・新嘗祭には、皇室からの幣帛(へいはく)があり、
勅使・大宮司以下神職が、正宮に続き、内宮別宮のうち荒祭宮のみに参行する
<御衣祭(おんぞさい)>
5月14日と10月14日
内宮の正宮と荒祭宮のみで行われる(外宮でも行われない)
和妙(にぎたえ)(絹織物)・荒妙(あらたえ)(麻織物)の2種の神御衣を奉る神事
5月には夏へ、10月には冬へ「神さんの衣替え」といわれる
和妙・荒妙は、松阪市にある内宮の所管社 神服部機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)と
神麻績機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)で織子によって奉職される
針や糸なども添えて奉納される
「皇太神宮儀式帳(804年(皇紀1464)延暦23年)」にも記されている神嘗祭に次ぐ古い神事