伊勢神宮(いせじんぐう)は、三重県伊勢市・松阪市・鳥羽市などにまたがってある神社
神社本庁の本宗(ほんそう)とされる
正式名称は「神宮(じんぐう)」
太陽を神格化した、皇室の御祖先である天照大御神を祀る皇大神宮「内宮(ないくう)」と、
衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮「外宮(げくう)」の2つの正宮があり、
別宮・摂社・末社・所管社など125社の総称
まず外宮を参拝してから、内宮に参拝する
皇室の氏神とされ、神階が授与されたことのない神社の一つ
毎年五大祭に勅使が遣わされるが、別格とされ、「勅祭社」とは称されていない
<神宮>
内宮・外宮・別宮(べつぐう)14社・摂社(せっしゃ)43社・末社(まっしゃ)24社・所管社(しょかんしゃ)42社を含めた、
合計125の社宮を「神宮」と総称される
伊勢市・志摩市・松阪市・鳥羽市・度会郡・多気郡の4市2郡に分布している
<正宮>
皇大神宮(内宮):伊勢の宇治の五十鈴川上に鎮座
豊受大神宮(外宮):伊勢の山田の原に鎮座
御垣の規模や御正殿・西宝殿・東宝殿の配置、構造は、内宮・外宮ともほぼ同じ
<内宮別宮>
別宮は「わけみや」の意味で、神宮の社宮のうち正宮に次いで尊いとされる
10社
荒祭宮(あらまつりのみや)(式内社)
月讀宮(つきよみのみや)(式内社)
月讀荒御魂宮(つきよみあらみたまのみや)(式内社、月讀宮境内)
伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)(式内社、月讀宮境内)
伊佐奈弥宮(いざなみのみや)(式内社、月讀宮境内)
瀧原宮(たきはらのみや)(式内社)
瀧原竝宮(たきはらならびのみや(瀧原宮境内)
伊雑宮(いざわのみや)(式内社)
風日祈宮(かざひのみのみや)
倭姫宮(やまとひめのみや)
<外宮別宮>
4社
多賀宮(たかのみや)(式内社)
土宮(つちのみや)
月夜見宮(つきよみのみや)
風宮(かぜのみや)
<内宮摂社>
正宮・別宮を除いて、「延喜式神名帳」に記載されている神社を摂社とされ、全て式内社
27社
朝熊神社(あさくまじんじゃ)
朝熊御前神社(あさくまみまえじんじゃ)
園相神社(そないじんじゃ)2座
鴨神社(かもじんじゃ)2座
田乃家神社(たのえじんじゃ)
田乃家御前神社(たのえみまえじんじゃ)
蚊野神社(かのじんじゃ)
蚊野御前神社(かのみまえじんじゃ)
湯田神社(ゆたじんじゃ)2座
大土御祖神社(おおつちみおやじんじゃ)
国津御祖神社(くにつみおやじんじゃ)
朽羅神社(くちらじんじゃ)
宇治山田神社(うじようだじんじゃ)
津長神社(つながじんじゃ)
堅田神社(かただじんじゃ)
大水神社(おおみずじんじゃ)
江神社(えじんじゃ)
神前神社(こうざきじんじゃ)
粟皇子神社(あわみこじんじゃ)
川原神社(かわらじんじゃ)
久具都比賣神社(くぐつひめじんじゃ)3座
奈良波良神社(ならはらじんじゃ)
棒原神社(すぎはらじんじゃ)2座
御船神社(みふねじんじゃ)
坂手国生神社(さかてくなりじんじゃ)
狭田国生神社(さたくなりじんじゃ)
多岐原神社(たきはらじんじゃ)
<外宮摂社>
16社
草奈伎神社(くさなぎじんじゃ)
大間国生神社(おおまくなりじんじゃ)2座
度会国御神社(わたらいくにみじんじゃ)
度会大国玉比賣神社(わたらいおおくにたまひめじんじゃ)
田上大水神社(たのえおおみずじんじゃ)
田上大水御前神社(たのえおおみずみまえじんじゃ)
志等美神社(しとみじんじゃ)
大河内神社(おおこうちじんじゃ)
清野井庭神社(きよのいばじんじゃ)
高河原神社(たかがわらじんじゃ)
河原神社(かわらじんじゃ)
河原淵神社(かわらぶちじんじゃ)
山末神社(やまずえじんじゃ)
宇須乃野神社(うすののじんじゃ)
御食神社(みけじんじゃ)
小俣神社(おばたじんじゃ)
<内宮末社>
正宮・別宮・摂社を除き、「延暦儀式帳」に記載されている神社を末社とされ、全て式内社
16社
鴨下神社(かもしもじんじゃ)
津布良神社(つぶらじんじゃ)
葭原神社(あしはらじんじゃ)
小社神社(おごそじんじゃ)
許母利神社(こもりじんじゃ)
新川神社(にいかわじんじゃ)
石井神社(いわいじんじゃ)
宇治乃奴鬼神社(うじのぬきじんじゃ)
加努弥神社(かぬみじんじゃ)
川相神社(かわあいじんじゃ)
熊淵神社(くまぶちじんじゃ)
荒前神社(あらさきじんじゃ)
那自賣神社(なじめじんじゃ)
葦立弖神社(あしだてじんじゃ)
牟弥乃神社(むみのじんじゃ)
鏡宮神社(かがみのみやじんじゃ)
<外宮末社>
8社
伊我理神社(いがりじんじゃ)
県神社(あがたじんじゃ)
井中神社(いなかじんじゃ)
打懸神社(うちかけじんじゃ)
赤崎神社(あかさきじんじゃ)
毛理神社(もりじんじゃ)
大津神社(おおつじんじゃ)
志宝屋神社(しおやじんじゃ)
<内宮所管社>
正宮・別宮・摂社・末社以外の神社を所管社とされる
30社
滝祭神(たきまつりのかみ)
興玉神(おきたまのかみ)
宮比神(みやびのかみ)
屋乃波比伎神(やのはひきのかみ)
御酒殿(みさかどの)
御稲御倉(みしねのみくら)
由貴御倉(ゆきのみくら)
四至神(みやのめぐりのかみ)
神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)(式内社)
神服織機殿神社 末社8社
神麻続機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)(式内社)
神麻続機殿神社 末社8社
御塩殿神社(みしおどのじんじゃ)
饗土橋姫神社(あえどはしひめじんじゃ)
大山祇神社(おおやまつみ)
子安神社(こやすじんじゃ)
<外宮所管社>
4社
御酒殿(みさかどの)
四至神(みやのめぐりのかみ)
上御井神社(かみのみいのじんじゃ)
下御井神社(しものみいのじんじゃ)
<瀧原宮所管社>
3社
若宮神社(わかみやじんじゃ)
長由介神社(ながゆけじんじゃ)
川島神社(かわしまじんじゃ)
<伊雑宮所管社>
5社
佐美長神社(さみながじんじゃ)(式内社)
佐美長御前神社(さみながみまえじんじゃ)4座
<神宮林>
造営に使用される御用材を調達している国有林
長野県・岐阜県の木曽の山々、神宮周辺の神路山・島路山・高倉山の3山など
全て檜(ひのき)で、1万本程度
植林事業が続けられており、遷宮の御用材として使用できるまでに育つには約200年かかる
<日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)>
毎日2回、外宮御饌殿において御饌を供えて行う神事
「常典御饌」とも称される
朝大御饌:毎日午前8時から午前9時まで
夕大御饌:午後3時から午後4時まで
神職たちは、前日から斎館にて潔斎される
権禰宜が、忌火屋殿において火錐具を用いて錐り出した神聖とされる火「忌火」を用いて、
神職が調理した御飯(おんいい)(蒸飯)3盛、上御井神社の神水、御塩(みしお)、
干鯛(季節によりスルメ・カマス・ムツ)、乾鰹、海藻、野菜、果物、清酒3献を、
御饌殿において、禰宜、権禰宜、宮掌各1名、出仕2名が、
天照大御神と豊受大御神・天手力男神・万幡豊秋津姫命・相御伴神三座に奉る
神宮の神饌は自給自足とされている
御塩(みしお)は、伊勢市内の御塩殿神社から、外宮の斎館へ運ばれてくる
運ばれる御塩道が定められており、そのためだけに用いられる「御塩橋」がある
米は伊勢市内の「神宮神田」、野菜は伊勢市内の「神宮御園」で作られている
祭具の土器も多気郡明和町にある土器調製所で造られている
<歳旦祭(さいたんさい)>
1月1日
新年を祝い、皇位の無窮を祈願する祭事
<元始祭(げんしさい)>
1月3日
年始にあたり、天津日嗣(あまつひつぎ)の本始を祝う祭事
<建国記念祭(けんこくきねんさい)>
2月11日
神武天皇の建国の創祀を祝う祭事
<祈年祭(きねんさい)>
2月17日〜23日
神饌を奉納し五穀の豊かな稔りを祈願する大御饌の儀と、勅使が参向して奉仕される奉幣の儀の2つの神事
<風日祈祭(かざひのみさい)春>
5月14日 9時から内宮、17時から外宮
風雨の災害が無く、五穀の豊穣が祈願される
<神御衣祭(かんみそさい)春>
5月14日 12時から内宮、その後、荒祭宮
和妙(にぎたえ)と荒妙(あらたえ)の神御衣が奉られる
<御酒殿祭・春>
6月1日 10時から内宮御酒殿
<月次祭(つきなみさい)春>
国家の平安と天皇の福寿を祈願する祭事
神嘗祭とともに「三節祭」と称され、最も重要な祭事の一つ
6月15日 22時から外宮
6月16日 2時から外宮、22時から内宮
6月17日 2時から内宮
25日まで別宮・摂社・末社・所管社で行われる
<夏越大祓>
6月30日
<風日祈祭(かざひのみさい)夏>
8月4日 9時から内宮、17時から外宮
風雨の災害が無く、五穀の豊穣が祈願される
<御酒殿祭・秋>
10月1日 10時から内宮御酒殿
<神御衣祭(かんみそさい)秋>
10月14日 12時から内宮、その後、荒祭宮
和妙(にぎたえ)と荒妙(あらたえ)の神御衣が奉られる
<神嘗祭(かんなめさい)>
神官がその年に収穫された穀物を「大御饌(おおみけ)」として奉献する神事
最も重要な祭事の一つ
10月15日 17時から内宮で御卜
10月16日 12時から外宮で奉幣の儀
10月17日 12時から内宮で奉幣の儀
<新嘗祭(にいなめさい)>
11月23日から29日
天皇がその年に収穫された穀物を宮中で神々に供えるとともに自らも召しあがる大儀が行われ、
収穫を感謝して神宮へ勅使を派遣されて奉幣の儀が行われる
<御酒殿祭・冬>
12月1日 10時から内宮御酒殿
<月次祭(つきなみさい)冬>
国家の平安と天皇の福寿を祈願する祭事
神嘗祭とともに「三節祭」と称され、最も重要な祭事の一つ
12月15日 22時から外宮
12月16日 2時から外宮、22時から内宮
12月17日 2時から内宮
25日まで別宮・摂社・末社・所管社で行われる
<年越大祓>
12月31日
<神宮大麻>
日本全国の神社で授与される神宮大麻は、皇大神宮(内宮)の神札である
<神宮に謁するの儀>
親王のご結婚のときに、新婚旅行として神宮に参拝されるのが通例となっている
<式年遷宮(しきねんせんぐう)>
原則として20年ごとに、内宮・外宮・諸神社の正殿を造替して神座を遷し、
宝殿・外幣殿・鳥居・御垣・御饌殿など計65棟の殿舎など、全社殿の造替がされ、
装束・神宝、宇治橋なども造り替えられる
奈良時代
天武天皇により定められる
690年(皇紀1350)持統天皇4年
第1回式年遷宮が行われる
戦国時代
120年以上も中断されていた
1993年(皇紀2653)平成5年
第61回式年遷宮が行われる
2013年(皇紀2673)平成25年
第62回式年遷宮が行われ、正遷宮(御神体の渡御)が予定されている
式年遷宮の各行事が2005年(皇紀2665)平成17年から行われている
<外宮先祭>
神宮の通常の神事は、外宮・内宮の順で行われる
参拝も外宮、内宮の順で行なう
ただし、式年遷宮の遷御は、内宮・外宮の順で行われる
<元伊勢>
宮中に祀られていた天照大御神が、伊勢国に鎮座されるまでに一時的に鎮座された場所
真名井神社も元伊勢の一つ
<野宮>
天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王が、伊勢へ赴任する前に、清浄な地を選び、
精進潔斎のために一年間籠もり、身を清められたところ
野宮神社も野宮の一つとされる