猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)

所在地:伊勢市宇治浦田   鳥居地図情報鳥居

祭神:猿田彦大神
相殿:大田命(おおたのみこと)

社格:無格社・別表神社

ご利益:交通安全・縁結び・土地開発・開業・災除・家業繁栄・病気平癒・開運など

 猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)は、伊勢市の皇大神宮(内宮)の近くにある神社

 天孫降臨を先導した猿田彦大神が祀られており、交通安全・道案内の神さんとされ、神宮を参拝する前に
参拝すると良いともいわれる

【猿田彦神社の歴史・経緯】


【猿田彦神社の祭神】

 猿田彦大神と、その子孫の大田命(おおたのみこと)が祀られている

 <猿田彦大神
 日本神話に登場する神さん
 物事の最初に出現になり、万事を最も善い方へお導きになる大神さんとされる
 「古事記」「日本書紀」の天孫降臨の段に登場し、「国初のみぎり天孫をこの国土に御啓行(みちひらき)になられた」と記されている

 「古事記」では、猿田毘古神・猿田毘古大神・猿田毘古之男神
 「日本書紀」では、猿田彦命と記されている

 天照大御神の孫の邇邇芸命瓊瓊杵尊)が天降りしようとしたときに、天の八衢(やちまた)に立って
高天原から葦原中国までを照らす神がいた
 その神の鼻長は七咫、背長は七尺、目が八咫鏡のようであった
 天照大御神高木神は、天宇受賣命に、その神の元へ行って誰であるか尋ねるよう命じた
 その神は、国津神の猿田彦大神で、邇邇芸命らの先導をしようと迎えに来たという

 邇邇芸命らが無事に葦原中国に着くと、邇邇芸命天宇受賣命に、猿田彦大神を送り届けて、
その名前をつけて仕えるようにと言われた

 猿田彦大神は、天宇受賣命と故郷である伊勢国の五十鈴川の川上へ帰り、その後、伊勢の地を本拠として
国土の開拓を指導されたといわれる

 これらのことから、道の神、道案内の神、旅人の神、交通安全の神とされるようになり、道祖神と同一視される

 <大田命(おおたのみこと)>
 猿田彦大神の子孫
 「倭姫命世記」によると
 皇女 倭姫命が、天照大御神を祀るのに相応しい地を探して諸国を巡っていたとき、大田命が、倭姫命を先導して
五十鈴川の川上一帯を献上し、神宮の創建に尽くされたといわれる
 大田命の子孫は、「宇治土公(うじのつちぎみ)」と称し、代々神宮の玉串大内人(たまくしおおうちんど)に任じられた



【猿田彦神社の境内】

 <本殿>
 特殊な妻入造で、「さだひこ造り」と称される
 欄干などには八角形の柱が使用されている

 <拝殿>

 <鳥居>
 八角形の柱が使用されている

 <佐瑠女神社(さるめじんじゃ)>
 祭神:天宇受賣命
 例祭:8月17日・18日
 本殿に向かい合うように建っている
 天宇受賣命は、天照大御神が天岩窟(あめのいわや)に籠もられたときに、
滑稽な神楽をされて、天照大御神を岩窟から出てこさせたといわれる
 天孫降臨のときには、猿田彦大神に最初に対面して、邇邇芸命が御啓行の後は、猿田彦大神と共に伊勢に来られ、
「媛女君」の称号を受けられた
 神楽、俳優、技芸、鎮魂の祖神とされる

 佐瑠女神社の例祭の日には、境内が提灯に飾られて、様々な芸能が奉納される

 <八方位文字盤>
 本殿の前にある八方位を示す八角形の石の文字盤
 八方位をさらに三方位ずつに分けた、合計24方位を示す文字が刻まれている
 決まった方位の文字を順に手のひらを強く当てて祈願すると、願い事がかなうと言われる
 四柱推命の十二支のうち3つの支が集まって「三合会局」といわれる
   仕事運:→未(いうひつじ)の順
   金運:(みとりうし)の順
   才能:(とらうまいぬ)の順
   家庭運:申→子→(さるねたつ)の順 など

 <御神田>
 本殿の裏にある田園


【猿田彦神社の文化財】

 <本居宣長墨跡>
 寛政十一年(1799年)  本居宣長が、参宮の時、宇治土公家に宿り、定津神主に贈られたもの

 (記載内容)
 「大御神宮に詣でて
 玉串大内人定津ぬし
 の家にやどりてあるじ
 によみてまいらす
          宣長
 神世より神の御末と
 つたへ来て名くはし宇
 治乃土公わが勢」

【猿田彦神社の祭事】

 <歳旦祭> 1月1日
 <紀元祭> 2月11日
 <祈年祭> 2月17日
 <春分祭> 春分の日
 <春季例祭> 4月4日・5日

 <御田祭(おみたさい)(三重県無形文化財指定)>
 5月5日
 五穀豊穣を祈願して、御神田に早苗を植える祭事
 鎌倉時代から続いているといわれる
 神饌として飛魚を献上する風習がある
 本殿において、玉苗を供え御田祭の斎行(さいこう)を奉告された後、
 御神田がお祓いを受け、8歳の童女「八乙女(やおとめ)」により玉苗が運ばれる
 囃方(はやしかた)により笛や太鼓による田楽が奏でられ、
 市女笠の女性8人と烏帽子姿の桃山時代の装束の男性8人の植方(うえかた)が一列に並び、早苗が植えられる

 その後、御神田の中央に恵比寿と大黒が描かれた大きなうちわを持った植方2人により、「団扇角力(うちわずもう)」が行われる
 その年の豊漁・豊作を占い、恵比寿が勝つと豊漁、大黒が勝つと豊作になるといわれる

 その後、本殿前庭に植方が集まり、豊年万作を祈願して「ハエーヤハエ、ハエーヤハエ」と掛け声をかけながら「豊年踊」が踊られる
 「ハエーヤハエ」は「早く生えてこい」という意があるといわれる

 その後、団扇角力で用いたうちわを破る「団扇破り」が行われ、参列者らによって一斉に破られる
 うちわの紙片は、お守りになるといわれる

 さだひこ太鼓の奉納もある

 <水無月晦日大祓> 6月30日
 <佐瑠女神社例祭> 8月17日・18日
 <秋分祭> 秋分の日
 <奉賛講大祭> 10月上旬

 <神嘗祭奉祝祭> 10月17日
 大神輿が、宇治の街を巡行する

 <秋季例祭> 11月4日・5日
 <七五三祭> 11月15日
 <新嘗祭> 11月23日
 <清砂頒布始祭> 12月5日
 <天長祭> 12月23日
 <大晦日大祓> 12月31日

【猿田彦神社へのアクセス】

 三重交通バス 猿田彦神社前 徒歩すぐ
 JR東海 伊勢市駅 車で約10分
 近鉄電車 宇治山田駅・五十鈴川駅 車で約10分

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