月讀宮(つきよみのみや)は、伊勢神宮の皇大神宮(内宮)の境外別宮
外宮と内宮を結ぶ県道(御幸道路)の中間、五十鈴川中流域の中村町の道路沿いの森の中にある
外宮から約3.8km、内宮から約1.8kmのところ
祭神の月読尊は、外宮別宮の月夜見宮の祭神「月夜見尊」と同じ神とされる
内宮別宮としては天照大御神の魂を祭神とする荒祭宮に次ぎ第2位
<月読尊>
皇大神宮(内宮)の祭神の天照大御神の弟神
外宮別宮 月夜見宮の祭神 月夜見尊と同じ神さん
外宮では日本書紀での表記と、内宮では古事記での表記となっている
「古事記」上巻では、
黄泉の国から戻った伊弉諾尊が禊ぎをしたときに、右目から天照大御神が、
左目から月読尊がお生まれになった
「日本書紀」上巻には、
伊邪那岐命と伊邪那美命の2柱の親神が、天照大御神を生み、
次に月読尊を生みになられ、その光彩(ひかりうるわしいこと)が、天照大御神に亜ぐ(つぐ)ものであると讃えられ、
月夜見尊には夜之食国(よるのおすくに)を治めるようにと委任されたと記されている
月は暦となり、潮の満ち引きとも深い関わりがあるため、昔から農耕や漁民の信仰を集めてきた
<月讀尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)>
月読尊の力強く勇猛な面をあらわす姿が荒御魂(あらみたま)
反対に穏やかで柔和な面をあらわす姿を「和魂(にぎみたま)」と称される
月讀宮では、月読尊と月讀尊荒御魂がそれぞれ別の社で祀られているが、
外宮別宮 月夜見宮では、月夜見尊と月夜見尊荒御魂が一つの社に合わせて祀られている
向かって右(東側)から月讀荒御魂宮・月讀宮・伊佐奈岐宮・伊佐奈弥宮の4つの宮が並んでいる
参拝は、月讀宮-月讀荒御魂宮-伊佐奈岐宮-伊佐奈弥宮の順が正しいとされる
4宮の社殿は、ほぼ同じ規模・構造
内宮に準じ、内削ぎの千木と、6本で偶数の鰹木を持つ萱葺の神明造で南面している
<月讀宮(つきよみのみや)>
祭神:月読尊
他の3宮より若干大きく、鳥居も大きい
<月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)>
祭神:月讀尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)
<伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)>
祭神:伊弉諾尊
<伊佐奈弥宮(いざなみのみや)>
祭神:伊弉冉尊
<内宮末社 葭原神社(あしはらじんじゃ)>
祭神:佐佐津比古命(ささつひこのみこと)・宇加乃御玉御祖命(うかのみたまのみおやのみこと)・
伊加利比売命(いかりひめのみこと)
いずれも田畑を守護する五穀の神とされる
内宮に準じ、内削ぎの千木と、4本で偶数の鰹木を持つ板葺の神明造で南面している
<古殿地>
遷宮のための敷地
通常は東西に隣接するが、月讀宮では南北にあり隣接していない
<宿衛屋(しゅくえいや)>
神職が参拝時間内に常駐している
お札・お守りの授与や、神楽や御饌の取次ぎが行われている
御衣祭(おんぞさい)以外、内宮正宮に準じた祭事が行なわれる
祈年祭・月次祭・神嘗祭・新嘗祭には、皇室からの幣帛(へいはく)がある