御蔭神社(みかげじんじゃ)は、比叡山の麓、左京区上高野東山町にある下鴨神社の境外摂社
賀茂の神さんが出現されたところといわれ、御生山(みあれやま)と称される
5月15日の葵祭先立ち、賀茂の神さんの荒魂を遷す秘儀御蔭祭が行われる
古くから賀茂の大神が降臨した地といわれ、玉依媛命が賀茂別雷大神を産んだことから「御生山(みあれやま)」と称された
下鴨神社の神体山とされており、下鴨神社の祭神の荒御魂が祀られている
荒御魂とは、御生(みあれ)したばかりの神霊のことをいう
下鴨神社と同様に
東殿に玉依媛命の荒御魂
西殿に賀茂建角身命の荒御魂が祀られている
<式内社>
平安時代初期の「延喜式神名帳」に記載されている「愛宕郡 二十一座 大八座 小十三座」の中の
「小野神社二座 鍬靫」とされる
江戸時代後期
台風や地震による被災以前には、現在の地より西方30mのところにあった
比叡山山麓、谷川、高野川、御生川で、四方を囲まれており、境内には橋を渡って入った
<本殿>
下鴨神社と同様に
東殿に玉依媛命の荒御魂
西殿に賀茂建角身命の荒御魂を祀る
現在の建物は 江戸時代後期の建立
<拝殿>
現在の建物は 江戸時代後期の建立
<庭上磐座>
現在は、本殿前に祀られている
かつては、鳥居を入った参道両側に東西の磐座があり、
西からは湧水があり、八瀬大河(高野川)に注ぎ、八瀬大河の「源流」とされていた
二つの磐座は、「御生綱(あれつな)」を曳くための「船つなぎ」と称されていた
<御蔭祭(御蔭山神事)>
5月12日
葵祭(5月15日)に先立ち行われる秘儀
日本最古の祭儀式といわれる
午前中に下鴨神社から、行粧を整えた神馬の神幸列が御蔭神社に到着し、
午の刻(正午12時)に、神祭の荒御魂が神馬に遷され、下鴨神社に遷御される
神馬には、錦蓋の飾り、神鈴が付けられ、御神宝(鉾、立、弓、楯など)が捧げ持たれる
<御生山(みあれやま)>
東山三十六峰の第二番目の山、標高146m
古くから賀茂の大神が降臨した地といわれ、玉依媛命が賀茂別雷大神を産んだことから「御生山」と称された
太陽のただ射すところとして、「御蔭山(みかげやま)」とも称される
下鴨神社の神体山とされており、下鴨神社の祭神の荒御魂が祀られている
荒御魂とは、御生(みあれ)したばかりの神霊のことをいう
<「小右記」>
平安時代後期の右大臣 藤原実資の日記
「鴨大御神、天降り給ふ。小野里、大原、御蔭山なり」と記されている
<鎌倉時代の歌人 藤原為家>
「契りをきて くもらぬ神の みかげ山 むかしの跡ぞ 今もかしこき」と歌われる
<二葉山>
御生山に、二葉葵が自生したことにちなんで別称される
<御蔭山城跡>
御生山の中腹にある
土豪 佐竹氏の本城とされ、周辺に多くの遺跡が残されている