天児屋命(天児屋根命)(アメノコヤネノミコト)は、日本神話に登場する天津神
天照大御神が天の岩屋戸にこもったとき、祝詞を奏して、天照大御神の偉大さや美しさを褒め上げて引き出した祝詞の神
邇邇芸命が天孫降臨したときの五伴緒神の筆頭として、葦原中国に降り、宮廷祭祀を司る中臣連の祖先神となる
中臣氏から分かれた藤原氏の氏神として春日大社に勧請され、春日大神の一柱とされる
<別称>
天之子八根命(アメノコヤネノミコト)
武乳速命(タケチハヤノミコト)
速経和気命(ハヤフワケノミコト)
天見通命(アメノミトオシノミコト)
麻刀方命(マトカタノミコト)
太詔戸命(フトノリトノミコト)
春日戸神(カスカベノカミ)
国辞代命(クニノコトシロノミコト)
櫛真智命(クシマチノミコト)
天足別命(アメノタラシワケノミコト)
<祝詞の神>
祝詞(のりと)は、神社の祭礼などで神職が神前で奏上する言葉
神さんを祝福したり、神さんのはたらきに感謝し称賛する
古事記の「天の岩屋戸」の段では、
天照大御神が天の岩屋戸にこもったとき、神々が集まって催しを行い、天照大御神を引き出そうとする
天児屋命が祝詞を奏して、天照大御神の偉大さや美しさを褒め上げて気分をよくして、天宇受賣命の舞などによって、
天照大御神を引き出している
<天児屋命の祝詞>
ひふみよ いむななや こともちろらね しきるゆいつわぬ そをたはくめか
うおえにさりへて のますあせえほれけ
<中臣氏の祖神>
古事記の「邇邇芸命」の段では、
天照大御神の孫 邇邇芸命が天孫降臨したとき、
五伴緒神(いつとものおのかみ)の筆頭として、葦原中国に降り、宮廷祭祀を司る中臣連の祖先神となる
その後、中臣氏は、宮廷の神事を統括して政権の中で大きな影響力を持つ有力氏族となる
<藤原氏の祖神>
中臣氏から分かれた藤原氏が強大な権力を持っていく
後に、国家守護の春日大社の創建にあたり、天児屋命が藤原氏の氏神として勧請され、春日大神の一柱とされる
<春日大神>
武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比売大神の4柱の総称
全国の春日神社
<宮 春日神社>
祭神の一柱として、天之子八根命・比売大神などが祀られている
<西院春日神社>
祭神の一柱として、天児屋根命が、第三殿に祀られている
<大原野神社>
祭神 春日大神として、天之子八根命が、第三殿に祀られている
<入野神社>
主祭神の一柱として、天児屋命などが祀られている
<吉田神社>
祭神 春日大神として、天之子八根命が、第三殿に祀られている
<祝園神社>
祭神 春日大神として、天児屋根命が、第三殿に祀られている
<諸羽神社>
祭神の一柱として、天児屋根命などが祀られている
<與能神社>
祭神の一柱として、天児屋根命などが祀られている
<城南宮>
祭神の一柱として、天児屋根命などが合祀されている
<下御霊神社>
春日社に主祭神として祀られている
<日向大神宮>
春日神社に主祭神として祀られている
<綺原神社>
春日神社に主祭神として祀られている
<山国神社>
春日社に主祭神として祀られている
<八坂神社>
十社の春日社に祀られている
<石清水八幡宮>
境外摂社 狩尾社に祀られている
<長岡天満宮>
春日社に祀られている
<出雲大神宮>
春日社に祀られている
<鍬山神社>
熊野神社に祀られている
<幡枝八幡宮>
十社の春日大神社に祀られている
<稗田野神社>
摂社 春日神社に祀られている
<幸神社>
春日社に祀られている
<棚倉孫神社>
末社 五社の春日大神社に祀られている
<天神社>
末社 二社の春日神社に祀られている
<吉田神道(よしだしんとう)>
吉田兼倶によって大成された神道の一流派
「唯一神道名法要集」によれば、
神道は、本迹縁起神道(社例縁起神道)・両部習合神道・元本宗源神道の三種に分けられ、
このうち元本宗源神道は、吉田家の祖先神である天之子八根命によって伝えられた正統的神道であるとされる