大原神社(おおばらじんじゃ)(OobaraJinjya) 京都通メンバ
所在地:福知山市三和町大原   鳥居地図情報鳥居

祭神:伊邪那美命・天照大日霎命・月読命

社格:府社

創建:645年(皇紀1305)大化元年

ご利益:安産・五穀豊穣

境内一帯:京都府文化財環境保全地区
本殿など:京都府指定文化財
産屋:京都府指定有形民俗文化財
京都府文化的景観「福知山市大原の産屋の里景観」

 大原神社(おおばらじんじゃ)は、福知山市の東南部の三和町大原にある神社

 舞台を備えた絵馬殿には、奉納された、質・量ともに貴重な絵馬が残されている

【大原神社の歴史・経緯】

【大原神社の祭神】

 本殿には、3柱が祀られている

 <伊邪那美命
 <天照大日霎命(あまてらすおおひるめのみこと)(天照大御神)>
 <月読命

 大原神社の縁起書「大原神社本紀」によると
 「伊邪那岐命伊邪那美命の神は天下万民を生み出した父母であり、
天下太平・国土安隠・宝祚長久・五穀能成・万民豊饒、婦人の安産を守護する」と記され、
安産と五穀豊穣の神さんとして信仰されてきた


 <末社 水門神社 祭神:天児屋根命春日大明神)>
 桑田郡野々村(現在の南丹市美山町字樫原)に鎮座していた伊邪那美命が、新しい宮地を求めて、天児屋根命に委託する
 天児屋根命が、丹波地方を歩き回っていると、大原にある白波のたつ水門の淵に行き着く
 水門の淵に住み、数千年にわたってこの山を守り続けていた金色の鮭が現れ、
「この山の嶺には、白和幣・青和幣があり、いつも光を放っている霊地です」と勧められる

 伊邪那美命が、樫原から大原に遷幸されるとき、
 黄色い牛に乗り、水門の淵を通り過ぎるとき、川辺の石の上に牛がひづめの跡を残したといわれる

【大原神社の境内】

 <本殿(京都府指定文化財)>
 桁行三間、梁行二間、切妻造、檜皮葺
 幣殿を介して拝殿とつながる権現造式
 1796年(皇紀2456)寛政8年10月23日
 綾部藩主 九鬼家の庇護により、現在の建物が再建された棟札が残る
 1984年(皇紀2644)昭和59年
 京都府指定文化財に指定される
 1986年(皇紀2646)昭和61年
 屋根の葺き替えが行われた

 <幣殿(京都府指定文化財)>
 桁行三間、梁行一間、唐破風造、檜皮葺

 <拝殿 附棟札一枚(京都府指定文化財)>
 入母屋造・桧皮葺
 正面中央に大唐破風の向拝(1間)が付き、「龍の丸堀」等の彫刻が施されている

 <絵馬殿(京都府指定文化財)>
 一ノ階段を登りきった右手にある
 桁行三間、梁行二間、入母屋造、茅葺、竿縁天井
 35面の絵馬が奉納されている
 桁間八間(14.4m)、梁間五間(約9m)
 奥に六間三間(約10.8m x 5.4m)の舞台が付いており、江戸時代には人形文楽や狂言、芝居などが行われていた
 1810年(皇紀2470)文化7年の建立
 1863年(皇紀2523)文久3年の再建
 1993年(皇紀2653)平成5年
 庶民文化遺産として価値が高いとされ、福知山市三和町の文化財指定を受ける
 2018年(皇紀2678)平成30年
 茅葺の葺き替え工事が完了する

 <摂社 火神神社 附覆屋(京都府指定文化財)>
 一間社流造、正面軒唐破風付、柿葺
 1657年(皇紀2317)明暦3年の建立
 1989年(皇紀2649)平成元年 屋根の葺きかえが行われる

 <末社 水門神社(京都府指定文化財)>
 祭神:天児屋根命春日大明神
 一間社流造、柿葺
 1657年(皇紀2317)明暦3年の建立
 1924年(皇紀2584)大正13年
 桧山綾部線の道路開削にともない現在の地へ遷された

 <産屋(うぶや)(京都府指定有形民俗文化財)>
 大原神社の前を流れる川の対岸にある
 切妻造、茅葺、国内唯一の天地根元造
 入口に、魔除けの古鎌が掛けられている
 入口は本殿に向けられており、産土神のご加護を受けて新しい命を授かる場とされる
 大正時代初期まで、妊婦が産気づくと夫がこの産屋に連れて行き、
12把(閏年は13把)の藁を持ち込んで、七日七夜籠もって出産したといわれる
 土間の砂は「子安砂」と称され、安産の神符として授けられる
 1800年(皇紀2460)寛政12年
 愛媛宇和島藩 伊達候代参が送られた
 1985年(皇紀2645)昭和60年5月15日
 郷土の風俗を象徴する建物として京都府指定有形民俗文化財に指定された
 2011年(皇紀2671)平成23年
 京都府の文化的景観に「福知山市大原の産屋の里景観」として選定された

【大原神社の文化財】

 絵馬殿には、35面の絵馬が奉納されている
 神馬・生業の図・庶民の文化的生活の様子を表す俳句・和歌・川柳などの句額が多くある

 <絵馬「神馬図」2面> 1599年(皇紀2259)慶長4年奉納
 <絵馬「平等院 宇治橋図」> 1691年(皇紀2351)元禄4年奉納
 <絵馬「四季耕作図」> 幕末の丹波地方の農耕の一年の様子を描く


 <蛇のひげ>
 現在の蛇ケ谷を荒らしていた蛇を、石粉主利助(いしこしゅりのすけ)が退治したときに落として逃げて行ったもの
 絵巻とともに残されている

【大原神社の祭事】

 <歳旦祭> 1月元旦午前零時
 <どんど> 1月14日

 <節分祭
 2月3日
 鎮火祭・お火焚き祭・追儺式
 火難除けの御札が授与される
 追儺式では、綾部藩主 九鬼家へ配慮して「鬼は内、福は外」の掛け声で豆がまかれる
 1996年(皇紀2656)平成8年
 追儺式において、地元住民が鬼役を務め、豆まきが行われるようになる


 <春季例大祭>
 5月2日 宵宮祭
 5月3日 神興渡御

 <御田植祭> 5月最終日曜日
 <半夏生祭> 7月2日
 <収穫感謝祭> 10月最終日曜日
 <新嘗祭> 11月23日
 <交通安全祈願祭> 12月第1日曜日・12月最終日曜日
 <大祓式> 12月29日

【その他】

 <子安砂・守砂>
 出産に用いられていた産屋の土間の砂
 安産祈願の参詣者に安産の神符として授けられ、出産後に返納される習わしがある
 江戸時代後期
 伊予藩・薩摩藩・美濃藩・宇和島藩などから、藩主や公家が安産祈願を求めて代参が行われていた


 <大原志(おばらざし)>
 大原神社に参詣すること
 春の季語として使われる
 「をしなべて人の心や大原志」(未得)(日本大歳時記)


 <オタビスギ(福知山市の指定天然記念物)>
 大原神社の御旅所(福知山市三和町大原)にある大杉
 樹高:約24m
 胸高周囲:6.6m
 2011年(皇紀2671)平成23年7月26日
 福知山市の指定天然記念物に指定される

【大原神社へのアクセス】

 JR山陰本線 綾部駅より市営バス(川合大原線)約15分 大原より徒歩約5分

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