自玉手祭来酒解神社(たまでよりまつりきたるさかとけじんじゃ)は、乙訓郡大山崎町の天王山の頂上近くの東斜面にある神社
延喜式 式内社で特に格式が高い名神大社とされ、乙訓地方で最も古い神社とされる
江戸時代以前は「天神八王子社」と称され、牛頭天王を祭神としており、天王山の名称は祭神から由来している
大山崎地域の産土神さん
<主祭神>
大山祇神
酒造の祖神 酒解神とされる
橘氏の先祖神であるとされる
<相殿>
素戔嗚尊
旧天神八王子社の祭神 牛頭天王を、神仏分離令にともない改称された
<本殿(国登録有形文化財)>
切妻造
江戸時代後期の建立
<拝殿>
<神輿庫(重要文化財)>
本殿横にある
日本で最古の倉庫遺構といわれる
珍しい板倉造(板倉形式)
3間2間、切妻造、本瓦葺、桁行5.45m、梁間4.39m、分厚い角材で組み上げられている
鎌倉時代後期の建立
神輿2基が納められている
「板倉形式」は、倉の壁を木材で造ったものの総称
柱に溝を彫り、その間に厚板を落とし込み「落とし板倉」とも称される
強度があり、通気性、調湿機能、防音効果も高く、神社では穀物・書物を保管する蔵として使われてきた
伊勢神宮でも用いられている
鎌倉時代以降は、耐火性に優れた土蔵に代わっていった
<後見社>
祭神:大己貴命
<宮主社>
祭神:足名稚命、手名稚命
<厳島社>
祭神:市杵嶋姫命
<三社宮>
右側より
天照大神社:天照大御神
月讀社:月読命
蛭子社:蛭子神
<神輿 2基>
室町時代以前の作
例祭 5月3日から5日
隔年の5月5日にお神輿が山を下り巡行する
年越祭 12月31日
<天王山>
標高270.4m
かつて「山崎山」と称されていた
山頂付近に祀られた天神八王子社が、祭神 牛頭天王の子 八王子にちなみ「天王社」と称され、
山崎山も「天王山」と称されるようになった
<宝寺城>
南北朝時代
天神八王子社の西側に、南朝方の防御のために、山城が築かれていた
山崎の戦いにおいて、明智光秀も入城している
<山崎城>
桃山時代
天神八王子社の西側に、豊臣秀吉により築城され、一時期本拠とされる
柴田勝家との賤ヶ岳の戦いに山崎城より出陣した
<禁門の変十七烈士のお墓>
参道脇にある
蛤御門の変(禁門の変)で敗走して天王山に布陣していた首謀の神官 真木和泉ら一隊17人が、
新選組に攻められ天王山で自爆・自刃した
<京都の自然200選 歴史的自然環境部門>
天王山の東斜面にシイなどの自然林が広がっている
1997年(皇紀2657)平成9年
京都府に「天王山」として選定されている