七福神のメンバーは、室町時代に定まっていったといわれる
寿老人と福禄寿は、両者とも南極老人星の化身とされることから、この二者は同一神とみなして、
寿老人の代わりに、吉祥天や猩猩が入ることもある
<えびす神(えびすじん)>
釣竿を持っていたり、それで鯛を釣っていたりする姿
漁業と商売繁盛、交通安全(海路安全)の守護神で庶民救済の神として信仰されている
大黒天の子ともいわれる
<大黒天(だいこくてん)>
米俵の上で、福袋と打出の小槌を持った微笑の長者姿
豊作・財福・商売繁盛の守り神として信仰される
もともとは、軍神
<弁財天(べんざいてん)>
七福神で唯一の女神で、琵琶を持つ色白の美女の姿
財福・学芸・学問の神として信仰される
水を神格化したものであり、言語や音楽の神としても信仰される
<毘沙門天(びしゃもんてん)>
甲冑を着て、片手に宝棒(または、三鈷戟)、もう片手には小さな宝塔を持ち、邪鬼を踏む姿
北方の守護神、仏教を守護する神、勝負ごとの神として信仰される
吉祥天の兄といわれる
<寿老人(じゅろうじん)>
中国の老子が天に昇ってなったという仙人の姿
酒を好み赤い顔をし、三千年の長寿を保つ玄鹿を従え、人々の難を払う団扇を持っている
福財・子授け祈願・諸病平癒・長寿の神として信仰される
南極老人星(カノープス)の化身で、酒を好み赤い顔をした長寿の神として信仰される
<福禄寿(ふくろくじゅ)>
背が低い長頭で、長い髭を持ち、杖に経巻を結び、鶴を伴っている姿
延命長寿・商売繁盛・延寿・健康・除災の神として信仰される
寿老人と同様に、南極老人星(カノープス)の化身といわれる
<布袋尊(ほていそん)>
大きな袋を常に背負っており、福徳・円満の神として信仰される
唯一実在したといわれる中国 唐の禅僧 契此といわれる
<吉祥天>
弁財天や寿老人・福禄寿の代わりに入っていたこともある
<猩々(しょうじょう)>
中国の想像上の動物で、猿や狗(いぬ)に似ていて、人面で人足を持ち、毛が赤い
人の言葉を理解して、よく語るといわれる
お酒を好む
<宝舟>
中国の年の終わりに船を作って窮鬼(貧乏神)を乗せて流す「送窮」(貧乏神送り)の風習が、
日本に伝わり、節分に船の絵を描いて、貧乏神を乗せたとして流すようになったといわれる
その後、貧乏神を流すのではなく、海の向こうにあるユートピアから福の神を迎えるようになっていったといわれる
江戸時代
正月2日の夕方に、「お宝、お宝」と七福神や回文を書いた宝船の絵が売られたといわれ、
この絵を枕の下に入れて寝るとよい夢が見られるといわれた
宝船の帆には、「獏(ばく)」という字を書いたものもあり、
悪夢を食べるという中国の想像上の動物「獏」が悪夢を食べてくれるようにとの願いがこもっている
<回文>
宝船に回文が書かれることもある
「なかきよの、とをのねふりの、みなめさめ、なみのりふねの、おとのよきかな」
(長き夜(永き世)の 遠の眠りの みな目覚め 波乗り船の 音のよきかな)