七福神(しちふくじん)(ShichiFukujin)


 七福神(しちふくじん)は、えびす神大黒天毘沙門天寿老人福禄寿弁財天布袋尊の七柱の神

 正月には、縁起のよい七福神を巡拝し、七難即滅、七福即生が祈願される

 現在、京都には、福神を祀る社寺が多くさんあり、
 七福神まいりには、「都七福神めぐり」のほか、数種類の神社寺院の組み合せのものがある

 正月には、枕の下に七福神の乗った宝船の絵を入れておくと、良い初夢が見られるといわれている

【七福神の歴史・経緯】



【七福神】

 七福神のメンバーは、室町時代に定まっていったといわれる

 寿老人福禄寿は、両者とも南極老人星の化身とされることから、この二者は同一神とみなして、
寿老人の代わりに、吉祥天や猩猩が入ることもある

 <えびす神(えびすじん)>
 釣竿を持っていたり、それで鯛を釣っていたりする姿
 漁業と商売繁盛、交通安全(海路安全)の守護神で庶民救済の神として信仰されている
 大黒天の子ともいわれる

 <大黒天(だいこくてん)>
 米俵の上で、福袋と打出の小槌を持った微笑の長者姿
 豊作・財福・商売繁盛の守り神として信仰される
 もともとは、軍神

 <弁財天(べんざいてん)>
 七福神で唯一の女神で、琵琶を持つ色白の美女の姿
 財福・学芸・学問の神として信仰される
 水を神格化したものであり、言語や音楽の神としても信仰される

 <毘沙門天(びしゃもんてん)>
 甲冑を着て、片手に宝棒(または、三鈷戟)、もう片手には小さな宝塔を持ち、邪鬼を踏む姿
 北方の守護神、仏教を守護する神、勝負ごとの神として信仰される
 吉祥天の兄といわれる

 <寿老人(じゅろうじん)>
 中国の老子が天に昇ってなったという仙人の姿
 酒を好み赤い顔をし、三千年の長寿を保つ玄鹿を従え、人々の難を払う団扇を持っている
 福財・子授け祈願・諸病平癒・長寿の神として信仰される
 南極老人星(カノープス)の化身で、酒を好み赤い顔をした長寿の神として信仰される

 <福禄寿(ふくろくじゅ)>
 背が低い長頭で、長い髭を持ち、杖に経巻を結び、鶴を伴っている姿
 延命長寿・商売繁盛・延寿・健康・除災の神として信仰される
 寿老人と同様に、南極老人星(カノープス)の化身といわれる

 <布袋尊(ほていそん)>
 大きな袋を常に背負っており、福徳・円満の神として信仰される
 唯一実在したといわれる中国 唐の禅僧 契此といわれる

【その他】

 <吉祥天
 弁財天寿老人福禄寿の代わりに入っていたこともある

 <猩々(しょうじょう)>
 中国の想像上の動物で、や狗(いぬ)に似ていて、人面で人足を持ち、毛が赤い
 人の言葉を理解して、よく語るといわれる
 お酒を好む

 <宝舟>
 中国の年の終わりに船を作って窮鬼(貧乏神)を乗せて流す「送窮」(貧乏神送り)の風習が、
日本に伝わり、節分に船の絵を描いて、貧乏神を乗せたとして流すようになったといわれる
 その後、貧乏神を流すのではなく、海の向こうにあるユートピアから福の神を迎えるようになっていったといわれる

 江戸時代
 正月2日の夕方に、「お宝、お宝」と七福神や回文を書いた宝船の絵が売られたといわれ、
この絵を枕の下に入れて寝るとよい夢が見られるといわれた

 宝船の帆には、「獏(ばく)」という字を書いたものもあり、
 悪夢を食べるという中国の想像上の動物「獏」が悪夢を食べてくれるようにとの願いがこもっている

 <回文>
 宝船に回文が書かれることもある
 「なかきよの、とをのねふりの、みなめさめ、なみのりふねの、おとのよきかな」
 (長き夜(永き世)の 遠の眠りの みな目覚め 波乗り船の 音のよきかな)


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