敷地神社(しきちじんじゃ)は、金閣寺の南にある神社
古くから安産祈願で有名で、安産祈願のときに、わらのお守りが授けられ、
そのわらに節があれば男の子、節がなければ女の子が生まれるという
<祭神 木花開耶姫命>
祭神の木花開耶姫命は、嫁入りをして一夜で懐妊し、3人の子供を次々と出産したといわれ、
古くから安産、子授けのご利益が得られるといわれる
安産祈願のときに、3cmほどのわらのお守りが授けられ、そのわらに節があれば男の子、節がなければ女の子が生まれるという
妊娠9ヶ月の9日には、授乳のための甘酒が授けられ、九(苦)を重ねることで、出産が楽になるといわれる
昔は、安産祈願のときに、わらの上にお供えものをしていて、
そのわらを持ち帰るようになったことからわらの護符ができ「わら天神さん」と称されるようになったといわれる
かつては、北山天神丘に祀られていたといわれ「北山神」「北山天神」「天神地祇」とも称された
<本殿>
<拝殿>
<舞殿>
<摂社 六勝神社(六勝稲荷神社)>
祭神:伊勢神宮・
石清水八幡宮・
賀茂社・
伏見稲荷大社・
松尾大社・春日大社の六神
明神二十二社上七社のうち、平野神社以外が祀られている
平安京遷都のとき、平野神社の地主神として勧請された
「六所神社」「六請明神社」と称される
859年(皇紀1519)貞観元年
六勝神社で初めて祭祀が行われ、その後、西園寺家の鎮守とされる
江戸時代
劇作家 近松門左衛門の「女殺油地獄」に登場する白稲荷法印(しろいなりほういん)の台詞に
「胴取りの祈りは、四三五六柱大明神(勝負師、賭博打ちは六柱大明神に祈願する)」と記されており、
必勝・成功・開運・商売繁盛の守護神として信仰されていた
1783年(皇紀2443)天明3年
敷地神社の地の還座され、社号を「必勝」の信仰から「六勝神社」に改める
1919年(皇紀2579)大正8年 改修される
1935年(皇紀2595)昭和10年 改修される
「むつかしい事に勝つ」として試験合格の神さんとして信仰されている
近年では、司法試験・公認会計士・税理士等の資格試験にもご利益があるといわれる
<ご神木 綾杉明神>
本殿西側に、樹齢千数百年の綾杉の幹が祀られている
968年(皇紀1628)安和元年
三十六歌仙の一人 清原元輔が「生ひ繁れ平野の原のあや杉よ 濃き紫に立ちかさぬべく」(「拾遺和歌集」十神歌)と詠む
応仁の乱の兵火は免れる
1896年(皇紀2556)明治29年8月
台風により倒壊し、地上2mほどの幹が残る
後に、素屋根がかけられ祀られる
「綾」とは「黒い」「木目」「葉に綾がある」という意味があるといわれる
<末社 八幡神社>
祭神:八幡大神(応神天皇、神功皇后、比売大神)
ご利益:開運厄除・必勝
1909年(皇紀2569)明治42年
衣笠氷室町より、現在の地に還座される
<末社 大山祇神社(おおやまつみじんじゃ)>
祭神:大山祇神
ご利益:海上守護、農業守護、鉱山守護
<手水舎>
踏み石には鞍馬石、水盤には貴船石が用いられている
<春季大祭>
4月第1日曜日
北山お弓祭(大弓奉的)の神事が行われる
衣笠地区において、神輿・稚児等が渡御する
<秋季大祭>
10月26日
大蔵流茂山千五郎社中により狂言が奉納される
<京都十六社朱印めぐり>
1月1日から2月15日
古社16社を巡拝すると、一年間、あらゆるご利益が得られるといわれる
<九ヶ月九日詣>
毎月9日
初宮詣と9ヶ月9日に参拝する
授乳祈祷の甘酒と、うぶ餅が振舞われる
<清盛塚>
境内の南端に平清盛といわれる前方後円墳式の古墳あった
改修のとき、壇上の岩石の下に石棺が現れ、東京国立博物館の鑑定によると、平清盛の時代のものではないと判明
壇上の岩石は六勝稲荷神社の前に移されている
<敷地氏>
名前の由来となっているといわれる
領主 敷地氏は、北野天満宮福田荘の地頭職で、菅生神社の神主職を継承した
<名物菓子 うぶ餅>
笹谷守栄(北区衣笠天神森町)のうぶ餅
こし餡に、大納言納豆、わら天神のご祈祷を受けた甘酒により作られ、黄粉がまぶされている
戌の日、毎月9日に境内の茶店に出される