戌(いぬ)犬(Dog) 京都通メンバ
戌(いぬ)は、十二支の第11番目

通称:いぬどし

前年:酉(さる)
次年:亥(い)

西暦を12で割って2が余る年

六十干支
 11:甲戌(きのえいぬ)
 23:丙戌(ひのえいぬ)
 35:戊戌(つちのえいぬ)
 47:庚戌(かのえいぬ)
 59:壬戌(みずのえいぬ)

陰陽:陽
五行:金(旧暦9月のとき「土」)
戌の月:旧暦9月
戌の刻:午後8時を中心とする約2時間
戌の方角:北西よりやや西寄り

 戌(いぬ)は、十二支の第11番目、動物の犬(いぬ)とされる

 「漢書」律暦志によると戌は、草木が枯れる状態を表すといわれ

 犬はお産が軽いとされることから、戌の日が安産の吉日とされ、帯祝いなどにはこの日を選ぶ風習がある

【犬の歴史・経緯】




【犬】

 犬(いぬ)は、食肉目イヌ科イヌ属の動物

 一度に10匹ほど生む多産で、お産も軽いといわれることから、戌の日は、安産祈願・子授け祈願に関する縁日とされる


 <日本犬>
 国の天然記念物に6犬種が指定されている
 秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・四国犬・北海道犬


 <狛犬(こまいぬ)>
 神社境内の要所におかれている左右一対の像
 多くは、犬ではなく、獅子(しし)に似た架空の動物
 祭神のお使いの眷属(けんぞく)である牛・狐(キツネ)・狼(オオカミ)など多くの種類の動物像がおかれる
 向かって右は口を開けた阿形(あぎょう)、左は口を閉じた吽形(うんぎょう)で「阿吽(あうん)」とされる
 インドのサンスクリット語の最初の音「あ」と最後の音「うん」を表し「宇宙の最初と最後」を意味しているといわれる
 勾玉や巻物・剣などを持っているものが多い

 狛犬は、邪気を祓(はら)い、神域を守護するといわれる

 朝鮮半島 高麗(こうらい)を経て日本に伝わり「高麗犬(こまいぬ)」と称されていたのが転訛したといわれる
 当時は、天皇さんや宮中の守護とされていたが、宮中に縁のある神社にも置かれるようになり広がった


 <戌年の守り本尊>
 阿弥陀如来
 戌年と亥年生まれの守り本尊
 無量寿如来・無量光如来とも称され、限りない生命を有し、無限の光を放つ仏とされる
 その名を唱えれば極楽浄土に生まれ極楽往生できるとされ、現世において人びとを一切の不安から解き放つとされる


【戌・犬・守護神が祀られている神社】

 <下鴨神社
 末社 言社(ことしゃ)(重要文化財)
 大国主命は、神徳により7つの名前を持ち、それぞれ神社が祀られている
 干支(えと)(十二支)に対する守護神として、それぞれ生まれ年に参拝する干支詣(えともうで)が行われる
 三言社(中社)祭神:大己貴神寅年・戌年守護神)

 <猿田彦神社
 本殿の前にある八方位を示す八角形の石の八方位文字盤
 決まった方位の文字を順に手のひらを強く当てて祈願すると、願い事がかなうと言われる
 才能:→戌(とらうまいぬ)の順


 <放生院
 十二支守本尊像
 生まれ歳の干支(えと)による、東西南北と北東、北西、南東、南西の八方角に合わせた八体の守り本尊
 戌年・亥年生まれ:阿弥陀如来


 <三寳寺
 京都御所 紫宸殿を中心に、十二支の方角に祀られた妙見大菩薩を参拝する洛陽十二支妙見めぐりの一つ
 「妙見さん」と称される妙見大菩薩は、
北極星・北斗七星を神格化した菩薩であり、諸星の王として宇宙万物の運気を司どり支配する菩薩といわれる


 <即成院
 阿形と吽形の2匹の狛犬(イヌ)
 空海が真言密教の霊場にふさわしい場所を探して各地を歩いていたとき、二匹の犬が現れて高野山へと導いたといわれる


【戌・犬のゆかりの神社・寺院】

 <敷地神社
 祭神 木花咲耶姫命は、嫁入りをして一夜で懐妊し、3人の子供を次々と出産したといわれ、安産祈願、子授け祈願で信仰されている  戌の日と毎月9日に、名物菓子 うぶ餅が、境内の茶店に出される


 <八坂神社
 木造 狛犬(重要文化財)

 <藤森神社
 木造 狛犬一対(重要文化財)

 <由岐神社
 石造 狛犬一対(重要文化財)>
 子供を抱いている珍しいもので、子授け祈願・子孫繁栄・安産の神様として信仰されている

 <籠神社
 石造 狛犬阿吽一対(重要文化財)
 狛犬が、天橋立を荒れ回って迷惑をかけていたため、
豪傑 岩見重太郎の剛刀で脚を切断されてしまい大人しくなったといわれる

 <宇治神社
 木造 狛犬(宇治市指定重要文化財)
 檜材一木造、鎌倉時代前期の作
 像高は約80cm以上あり、現存する木造の狛犬としては、最大級

 <安井金比羅宮
 末社 安井天満宮の狛犬は、1767年(皇紀2427)明和4年の建立で、京都市市内で最も古いといわれる

 <伏見稲荷大社
 御剱社(みつるぎしゃ)(長者社神蹟)に、お乳を飲む狛犬がおかれている

 <走田神社
 向かって左の吽形の狛犬が持つ手毬には中に石があり、転がすことができる

 <宗忠神社
 正参道の入口に獅子が逆立ちしている備前焼の狛獅子がおかれている

 <清水寺の七不思議
 仁王門の前の二体の阿形の狛犬
 阿吽の対ではなく、二体とも口を開いた阿形の狛犬がおかれている


 <上賀茂神社の七不思議
 本殿・権殿の御扉(みとびら)に描かれている「御扉の狛犬」
 かつて、里へ出て悪さをしたため板戸に封じ込められたといわれる

 <宝鏡寺
 本堂(京都市指定有形文化財)の河股幸和(かわまたゆきかず)の筆の襖絵「春・桜と子犬」4面など
 書院(京都市指定有形文化財)の円山応挙の「雌雄の雉の図」「子犬の図」などの杉戸絵

 <光源院
 本堂(方丈)の室中の間の14面の襖絵「十二支の図」14面
 禅宗寺院では珍しい十二支が描かれている

 本堂南側の枯山水庭園 十二支の庭


【その他】

 <相場格言>
 「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申戌騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、戌はつまずき、寅は千里を走り、卯は跳ねる」
 戌年の相場は、笑いたくなるほどの良い相場といわれる


 <岩田帯
 妊婦が、胎児や妊婦の保護のためにつけるさらしの腹帯
 宮中では、ご懐妊の5ヶ月目の戌の日に「着帯の儀」が行われる
 一般にも、妊娠5ヶ月目の戌の日(いぬのひ)に帯祝いが行われ、着用しはじめる


 <桃太郎伝説>
 には魔を退治する力があり、
鬼門と反対方向の申(さる)(西西南)、酉(とり)(西)、戌(いぬ)(西西北)を従者にしたといわれる


【京都検定 第2回3級】

【京都検定 第6回3級】

【京都検定 第8回3級】

【京都検定 第10回3級】

【京都検定 第12回3級】

【京都検定 第16回3級】

【京都検定 第21回3級】

【京都検定 第5回2級】

【京都検定 第21回2級】

【京都検定 第17回1級】

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