丑(うし)牛(Ox) 京都通メンバ
丑(うし)は、十二支の第2番目

通称:うしどし

前年:子(ね)
次年:寅(とら)

西暦を12で割って5が余る年

六十干支
  2:乙丑(きのとうし)
 14:丁丑(ひのとうし)
 26:己丑(つちのとうし)
 38:辛丑(かのとうし)
 50:癸丑(みずのとうし)

陰陽:陰
五行:水(旧暦12月のとき「土」)
丑の月:旧暦12月
丑の刻:午前2時を中心とする約2時間
丑の方角:北東よりやや北

 丑(うし)は、十二支の第2番目、動物の牛(うし)とされる

 「漢書」律暦志によると丑は、芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態を表すといわれる

【牛の歴史・経緯】



【丑・牛】

 牛(うし)は、鯨偶蹄目ウシ科の動物

 牛は、野生のオーロックスが家畜化されて生まれた家畜種

 <十二支の故事>
 神さんが、十二支の動物を決めるとき、神門の前にやってきた順番に決めることにした
 牛は、歩みが遅いからと、真っ先に出かけ、一番に神門の前に着いた
 神門が開けられるとき、牛の頭の上に乗っていたが飛び出して先を越され、が一番になったといわれる


 <牛頭天王(ごずてんのう)
 八坂神社の祭神で、全国の祇園社、天王社でも祀られている
 素戔嗚尊と同一視されている
 7歳のときには、身長が7尺5寸あり、3尺の牛の頭をしており、3尺の赤い角があったといわれる


 <天神さんの使い 御神牛(ごしんぎゅう)>
 北野天満宮や、全国の天満宮などに奉納されている臥牛像
 牛が、祭神 菅原道真との縁が深く、天神さんのお使いとされる

 「北野天神縁起絵巻」によると、
 菅原道真は、845年(皇紀1505)承和12年(丑年)6月25日(丑の日)に生まれ、
 903年(皇紀1563)延喜3年2月25日(丑の日)に亡くなった
 菅原道真は、丑年生まれで牛を可愛がっていて「遺骸は牛車に乗せて人にひかせず、牛の赴くところにとどめよ」という遺言を残す
 菅原道真の遺体を乗せた牛車の牛がうずくまったところが、太宰府天満宮の本殿の地といわれる
 このことから御神牛のほとんどが臥牛像とされている


 <丑年の守り本尊>
 虚空蔵菩薩
 丑年と寅年生まれの守り本尊
 はかり知れない智慧と慈悲の心によって守護し、福徳と生きるための知識や集中力を授けるといわれる


【丑・牛・守護神が祀られている神社】

 <北野天満宮
 祭神 菅原道真が祀られており、境内のいたるところに御神牛が置かれている

 全国の天満宮や、神社の末社の天満宮などの狛牛など、御神牛が奉納されている

 長岡天満宮
 文子天満宮
 吉祥院天満宮
 菅原院天満宮神社
 桃山天満宮
 長尾天満宮
 錦天満宮
 桜天満宮
 千喜万悦天満宮
 水火天満宮
 矢田天満宮
 八瀬天満宮
 火除天満宮


 <下鴨神社
 末社 言社(ことしゃ)(重要文化財)
 大国主命は、神徳により7つの名前を持ち、それぞれ神社が祀られている
 干支(えと)(十二支)に対する守護神として、それぞれ生まれ年に参拝する干支詣(えともうで)が行われる
 一言社(西社)祭神:顕国魂神(うつくしにたまのかみ)(午年守護神)


 <猿田彦神社
 本殿の前にある八方位を示す八角形の石の八方位文字盤
 決まった方位の文字を順に手のひらを強く当てて祈願すると、願い事がかなうと言われる
 金運:(みとりうし)の順


 <法輪寺
 本尊:虚空蔵菩薩(日本三大虚空蔵の一つ)
 ご利益:知恵・芸事の上達、丑年・寅年生まれの守り本尊


 <放生院
 十二支守本尊像が祀られている
 生まれ歳の干支(えと)による、東西南北と北東、北西、南東、南西の八方角に合わせた八体の守り本尊
 丑年・寅年生まれ:虚空蔵菩薩


 <本満寺
 京都御所 紫宸殿を中心に、十二支の方角に祀られた妙見大菩薩を参拝する洛陽十二支妙見めぐりの一つ
 「妙見さん」と称される妙見大菩薩は、
北極星・北斗七星を神格化した菩薩であり、諸星の王として宇宙万物の運気を司どり支配する菩薩といわれる
 本満寺は、丑・北北東の方向にあり「本満寺の妙見宮本山」と称される



【牛にゆかりの神社・寺院】

 <頂妙寺
 <紙本墨画 牛図 双幅(重要文化財)
 俵屋宗達の筆
 牛が立っているものと、牛が座っているものの二幅


 <圓光寺
 十牛の庭
 人が悟りに至る10段階を明示的に表した「十牛図」という仏教画の十の牛を、十の石に見立て、悟りの境地を表す庭とされる


 <聖澤院
 方丈 襖絵「十牛図」、片山尚景の筆


 <光源院
 本堂(方丈)の室中の間の14面の襖絵「十二支の図」14面
 禅宗寺院では珍しい十二支が描かれている

 本堂南側の枯山水庭園 十二支の庭


 <葵祭 路頭の儀
 行列は、総勢511名、馬36頭、牛4頭、牛車2台、輿1台の平安貴族そのままの風雅な王朝行列

【丑の刻にゆかりの神社・寺院】

 <貴船神社
 祭神の貴船明神が、丑の年、丑の月、丑の日、丑の刻に、貴船山中の鏡岩に降臨されたといわれる
 縁結び・縁切りの神さん

 末社 牛一社(ぎゅういちしゃ)
 祭神の牛鬼は、貴船明神が降臨されたたときにお供された神さん

 丑の刻参り
 丑の刻(午前2時頃)に参拝する
 貴船の神が、丑の年丑の月丑の日丑の刻に降臨したにちなむといわれる
 7日間の丑の刻詣が行われていたといわれ、奥宮の杉林にはその痕跡がある


 <橋姫神社
 ある公家の娘が、激しい嫉妬をして、鬼になることを願い、七日間、貴船神社へ丑の刻詣りする
 七日目に、貴船の神より、宇治川に21日間浸かれば鬼になれると神託を受ける
 娘は、髪を松脂で固めて五つの角を作り、顔には朱、身体に丹を塗り、頭に松明をつけた鉄輪をかぶって、
両端に火をつけた松明を口にくわえて宇治川に浸かる
 娘は、念願通りに鬼になり、人を殺したという


 <櫟谷七野神社
 高砂山祈願(恋愛成就・浮気封じ・復縁祈願)
 特に、丑の刻参りがご利益があるといわれる


 <地主神社
 おかげ明神の後ろに立つ神木「いのり杉」
 かつて、「丑の刻まいり」で使われ、「のろい杉」とも称される
 顔を真っ白に化粧をし、白衣を着て、頭にローソクを立て、午前2時の丑の刻に、
恨む相手の人形(ひとがた)となるワラ人形を、この神木に打ちつけ、呪いの願をかけたといわれる
 その五寸釘の後が、無数に残っている


 <大酒神社
 京都三大奇祭の一つ太秦牛祭(うずまさうしまつり)が10月12日夜(旧暦9月12日丑の刻)に行われる
 京都市登録文化財(無形民俗文化財)


【土用の丑の日にゆかりの神社・寺院】

 <下鴨神社
 末社 井上社(いのうえしゃ)(御手洗社)(みたらししゃ)
 祭神:瀬織津姫命
 土用の丑の日に、例祭である御手洗祭(足つけ神事)が行われる

 <蚕の社
 土用の丑の日に、元糺の池(もとただすのいけ)に手足を浸すと、しもやけ・脚気(かっけ)にならないといわれ無病息災が祈願される


 <神光院
 7月21日と土用の丑の日に、きゅうりふうじが行われる
 弘法大師が、きゅうりに病魔を封じ込め、五智不動尊に病魔平癒を祈願したという故事にちなみ、
きゅうりによる疫病除け祈祷が行われる

 <蓮華寺
 7月土用の丑の日に、きゅうりふうじが行われる


 <剣神社
 7月土用の丑の日に、ほうらく灸封じが行われる

 <三寳寺
 7月下旬土用の丑の日に、ほうろく灸祈祷会が行われ、暑気封じ・頭痛封じ・中風封じ祈祷が行われる


 <大将軍神社
 土用の丑の日に、虫送りが行われる

 <不思議不動院
 7月土用丑の日に、不思議不動妙法秘法の土生姜灸・癇虫取りが行われる

【その他】

 <相場格言>
 「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅は千里を走り、卯は跳ねる」
 丑年の相場は一段落するといわれる


 <丑三時(うしみつとき)>
 午前2時頃から午前2時30分頃
 丑の刻(午前2時を中心とする約2時間)を4分し、その第3に相当する時間帯
 真夜中であり「草木も眠る」とか「家の軒が3寸下る」ともいい、魔物が活動するのにふさわしい時間帯といわれる
 前後の時間帯で「丑一時」「丑二時」「丑四時」も称する


 <土用の丑の日(どようのうしのひ)
 「土用」とは五行思想に基づく季節の変わり目の雑節(ざっせつ)で、立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間
 その間の1季節で丑の日が2日あることもあり「一の丑」「二の丑」と称される
 夏には「う」の付くウナギ・瓜・うどんなどを食べ、春は「い」、秋は「た」、冬は「ひ」の付くものを食べる

 下鴨神社などでは「足つけ神事」と称される御手洗祭が行われる


 <鬼門
 鬼門(きもん)は、北東の方位のこと
 丑(うし)と寅(とら)の間の方向で「艮(うしとら)」の方向ともいわれる
 陰陽道では、鬼が出入りする方角であるとして、縁起が悪く、災いや厄がつくといわれ万事に忌むべき方角とされる


 <亀岡牛
 亀岡市市内で飼育されているブランド牛

 <京都肉
 京都府を産地とするブランド牛
 京都では、単に「お肉」といえば牛肉のみのことで、豚肉・鶏肉などは「お肉」とは称さない


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