巳(み)は、十二支の第6番目、動物の蛇とされる
「漢書」律暦志によると、「止む」の意味があり、草木の成長が極限に達した状態を表すといわれる
巳(み)は、動物の蛇とされる
川辺に棲み、川の神(水神)とされる
縄文時代の遺跡からも蛇をかたどった土偶が出土している
<象徴>
四肢を持たない長い体、脱皮して大きくなることから死と再生を連想させ、
「生と死の象徴」「生殖と繁殖」の象徴とされる
<上巳の節句>
陰暦3月の最初の巳の日をいう
現在は、雛祭として祝われている
<八岐大蛇(やまたのおろち)>
頭が8つある蛇神
<玄武>
四神相応において北を司る守護神
亀に蛇が絡まった姿をしている
亀は「長寿と不死」の象徴、蛇は「生殖と繁殖」の象徴
<宇賀神(うがじん)>
宇迦之御魂神(うかのみたま)に由来する財をもたらす農業・食物・財福の神さん
姿は、人頭蛇身で、蜷局(とぐろ)を巻いており、頭部は老翁であることが多い
弁才天の頭頂部に小さく乗り、鳥居も置かれることも多い
<弁財天の使い>
蛇が、川の神とされることから、弁財天の使いとされる
弁財天の縁日は、巳の日とされる
<下鴨神社>
末社 言社(ことしゃ)(重要文化財)
大国主命は、神徳により7つの名前を持ち、それぞれ神社が祀られている
干支(えと)(十二支)に対する守護神として、それぞれ生まれ年に参拝する干支詣(えともうで)が行われる
一言社(東社)祭神:大国魂神(おほくにたまのかみ)(巳年・未年守護神)
<鞍馬寺>
閼伽井護法善神社(あかいごほうぜんじんじゃ)には、修行中の峯延上人が、2匹の大蛇に襲われたとき、
説法により、魔王尊に供えるお香水を永遠に絶やさないことを誓った大蛇が祀られている
竹伐り会式では、
長さ4m、太さ10cmの青竹を大蛇になぞらえ、法師が、法師が山刀で竹を切り落とす速さを競い、1年の豊凶が占なわれる
<正覚寺>
空海の作といわれる白蛇弁財天が祀られている
<松林院>
宇賀徳正神社に、白蛇の神さまが祀られている
<吉水弁財天堂>
裏堂に、宝珠を頂いた巨大な白蛇に変じたといわれる宇賀神将尊が祀られている
本堂には、吉水大辨財天女が祀られている
<放生院>
十二支守本尊像が祀られている
生まれ歳の干支(えと)による、東西南北と北東、北西、南東、南西の八方角に合わせた八体の守り本尊
辰年・巳年生まれ 普賢菩薩
<日體寺>
京都御所 紫宸殿を中心に、十二支の方角に祀られた妙見大菩薩を参拝する洛陽十二支妙見めぐりの一つ
「妙見さん」と称される妙見大菩薩は、
北極星・北斗七星を神格化した菩薩であり、諸星の王として宇宙万物の運気を司どり支配する菩薩といわれる
日體寺は、巳・南南東の方向にあり「清水の鎮宅妙見宮」と称される
<石見神楽>
祇園祭の宵山において行われる行事の一つ
演目「大蛇(おろち)」は、「石見神楽の華」と称される花形演目で、最終演目として披露されることが多い
八坂神社の祭神 素戔嗚尊の八岐大蛇退治を題材とした内容
<圓成寺>
岩戸妙見宮に祀られている像高2mほどの石像 岩戸妙見菩薩
大きな亀の台座に立ち、右手に破邪の剣、左手で蛇を握って、頭上には北斗七星がある
<大豊神社>
本殿横に狛巳が安置されている
<蟹満寺>
蟹が、蛇の化身に襲われていた村人の娘を助けたという伝説がある
観音堂に、蟹と大蛇の額が掲げられている
<玄武神社>
本殿に玄武の石像が安置されている
蛇が亀に巻きついて、顔を見合わせている姿で、玄色(艶のない黒い色)をしている
玄武は、四神相応における北を司る守護神とされる
<光源院>
本堂(方丈)の室中の間の14面の襖絵「十二支の図」14面
禅宗寺院では珍しい十二支が描かれている
本堂南側の枯山水庭園 十二支の庭
<正法寺>
巨石の庭園の白砂に、蛇など、15種類ほどの動物の形をした石が集められており、「石の寺」とも称される
<出町妙音堂>
妙音堂の堂内、堂裏、側面などに、蛇の絵や蛇の瓦が飾られている
拝殿には、白蛇が安置されている
<三室戸寺>
本堂前に、宇賀神の像が安置されている
頭は老翁、体は蛇で、蓮に乗る姿をしている
財運・金運の蛇神で、撫でると、財運がつくといわれている
<今熊野観音寺>
金龍弁財天は、池の近くで、金色の蛇神が姿を現わされたため祀られたといわれる
<大田神社>
蛇が枕にしていたとされる「蛇の枕」「雨乞い石」がある
この石のたもとで、雨乞が行われ、農具(鉄器)などで、この石を叩くと、枕を叩かれた蛇が怒って雨を降らせるといわれる
<金閣寺>
安民沢(あんみんたく)の池の小島に、「白蛇塚」という五輪の石塔が立てられている
<猿田彦神社>
本殿の前に、八方位を示す八角形の石の八方位文字盤がある
決まった方位の文字を順に手のひらを強く当てて祈願すると、願い事がかなうと言われる
金運:巳→酉→丑(みとりうし)の順
<寿延寺>
「蛇形大弁財天女 北条時政公感得」と記されている北条時政ゆかりの蛇形弁財天社がある
<神明神社>
鵺退治の伝説
近衛天皇が夜な夜なうなされていた
頭は猿、胴体は狸、尻尾は蛇、手足は虎という鵺(ぬえ)を源頼政が退治した伝説
源頼政は、御礼に、神明神社に2本の矢尻を奉納したといわれる
<蛇島>
戦国武将 逸見昌経(へんみまさつね)が山城「蛇島城」を築城していた、湾内の防衛と海上交通の要所だった
「へんみ」から「へび」に転訛して「蛇島」となったといわれる
<蛇塚古墳>
京都府でも最大の横穴式石室がある大きな前方後円墳
高度な土木技術・農業技術・機織技術を持っていた渡来人秦氏一族の首長のお墓と推定される
石室内に蛇が棲んでいたことから名付けられたといわれる
<法厳寺>
弘法大師堂は、空海が、ときどき現れて恐れられていた大蛇を、音羽川で身を清めて大蛇除難祈祷を行った守護所
大蛇塚は、小山郷士 内海覚念が、参拝の帰りに襲われ退治した大蛇を供養すのための作られた塚
蛇ヶ淵(じゃがぶち)は、蛇ヶ谷大蛇の瀬と称され、数十丈の大蛇が棲んでいたといわれるところ
四手井家先祖 伊賀守 四手井景綱が、大蛇を剣で退治したところ、清水寺の音羽の滝に一日一夜にわたり血潮が流れたといわれる
大蛇は川辺で焼かれ、その地は「焼芝(やきしば)」と称された
<法輪寺>
地中の中から発見された、京三条釜座の名工 藤原国次の鋳造の弁天鐘
梵鐘の中には、白蛇が梵鐘を護るように棲息していたといわれる
<妙満寺>
安珍(あんちん)・清姫(きよひめ)伝説の鐘
修験者 安珍に裏切られた庄司の娘 清姫が、怒りで日高川で蛇身となり、紀州 道成寺の釣鐘の中に隠れている安珍を見つけ、
炎を吐いて鐘を真赤に焼き、安珍を黒焦にして死なせ、自らも日高川に身を投じた
再鋳された鐘の鐘供養のとき、白拍子の奉納舞が終わると鐘が落下し、白拍子は蛇身に変わり日高川へと姿を消した
<相場格言>
「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」
巳年の相場は、上昇相場といわれる
<ヘビの抜け殻>
ヘビの脱皮したあとの殻を財布に入れると、お金が貯まるご利益があるといわれる