<製法>
仕込みの時期:5月後半から8月末頃まで
大豆を煮る
煮た大豆に、はったい粉をまぶして、室(むろ)に入れて、麹菌を自然発酵させる
発酵したものを大きな桶にいれて、そこに塩水を入れ混ぜ合わせる
なじんだ頃に、外に出して天日干しにする
室(むろ)に入れて、一日に丹念にかき混ぜ、熟成させつつ、二ヶ月前後かけて自然乾燥させる
乾燥すると固まってくるので、それを一粒ずつ手でわけ、天日干ししてできあがる
<風味>
禅寺での精進料理に、タンパク質と塩分を補い、
麹菌による発酵によって旨味のあるものにされている
夏の暑い時期に、天日干しをしたり、湿度や温度を上げた室(むろ)でのかき回したりする作業が、修行僧にとって、
良い修行にもなっていたといわれる
黒っぽく、柔らかいまま乾燥しており、貯蔵性に優れている(冷蔵庫に入れると乾燥しすぎる)
辛い(塩味)味噌を香ばしくしたような独特な風味
糸を引く納豆や甘納豆とは異なる
<用途>
そのまま食べたり、ご飯のおかずやお茶漬けにしたり、煮物に入れたりして食べられる
干し菓子や京菓子 松風などに入れたり、餡と混ぜ込んで饅頭にしたり、和菓子にも用いられる
<効能>
殺菌力がペニシリンの数十倍の効果があるといわれ、
麹の出す酵素が、ミネラルの吸収を妨げる大豆成分の「フェチン酸」を分解し、栄養を効率取る効果があるといわれる
<名称>
寺院の納所(なっしょ)で作られたため「納豆」と称されるようになったといわれる
中国では、「豆鼓(トウチ)」と称され、中国料理の調味料などに使われている
<老舗 大徳寺一久>
「大徳寺納豆」の登録商標を持つ、大徳寺御用達の店
一休禅師より、製法を伝授され、「一久」の号を授けられたといわれる