古老柿(ころかき)は、京都府宇治田原町の特産品の干し柿
11月上旬から中旬に柿屋が建てられて、「鶴の子柿」という小ぶりの渋柿から、吊るさない干し柿が作られる
12月中旬から1月中旬に出荷される
縁起物として、お正月には鏡餅に、みかん、昆布とともに飾られる
特に、立川地域では立地条件が良く、優秀な古老柿が生産されている
古老柿は、小ぶりの渋柿「鶴の子柿」を、吊るさないで、田んぼの中に建てられた「柿屋」で乾燥された干し柿
雪がついたような真っ白な粉(糖分)がついており、素朴な風味になっている
茶菓子として、温かい宇治茶と一緒に食べるといっそう美味といわれる
原材料は、「鶴の子柿」のみで、砂糖や添加物は一切使われていない
<作り方>
11月上旬から中旬に、
稲の刈り取りが終わった田んぼに、渋柿の干場となる、わらで屋根をふいて造る「柿屋」が建てられる
柿屋の中には、丸太と竹簀を使って4段ほどの棚が作られる
棚に、へたを取り皮をむいた「鶴の子柿」が並べられ、2~3週間、寒風にさらして乾燥させる
天気が悪くなると、雨がかからないように柿を移動させる
2~3週間後、柿屋からおろして、むしろの上にひろげて干す
1日2~3回、箕(み)に入れて転がせながら揉みこみ、柔らかくなったらむしろに包んで1晩おく
これを1週間ほど繰り返すと、表面に白い粉(糖分)がふき、真っ白になれば古老柿ができあがる
揉みこみなが転がして干すことから「ころ柿」と称されるようになったともいわれる
12月末には出荷が終わり、田んぼの柿屋は解体される
<古老柿なます>
千切りにした大根と人参を塩でもんでおき、古老柿は種をとって細かく割いておく
水気を切った大根、人参と古老柿を混ぜ、酢、みりん、砂糖を入れて味を馴染ませる
さっぱりとした味わいの中に、古老柿の素朴な甘味が楽しめる
正月のお節料理に入れられることも多い
<古老柿バター>
古老柿の種を取り除き、そこにバターを挟んで食べる
<栄養>
古老柿の原材料は、柿のみで、砂糖や添加物は一切使われていない
ビタミンC、カリウムが多く含まれている
高血圧、動脈硬化、ガン予防に役立つといわれている
柿のタンニンは、酒の酔いさましによいともいわれている
<賞味期限>
古老柿は、生もの
白い粉は柿の果糖で、温かいところに置くと消えてしまい、果肉がとろけてくる
湿気のあるところや、暖房された部屋には置かず、10度以下で保管するようにする
<継承保存の取組>
地元の小学校などで、古老柿づくり体験が行われている
家庭では、お正月の縁起物として、鏡餅に古老柿、みかん、昆布を添えてお祝いされている
お正月のお節料理などで使われ、代々その作り方と味わいが引き継がれている
<禅定寺(宇治田原町)>
里人に、娘となって渋柿を甘くする方法を教えたといわれる本尊 十一面観音菩薩が安置されている
娘が姿を消したといわれるところに「美女石(びじょせき)」がある
1993年(皇紀2653)平成5年
美女石の近くに「おとめ観音(柿の木観音)」が安置された
光背に柿の葉、台座は柿のへた、手のひらには柿、柿のネックレスを付けておられる