落雁(らくがん)(Rakugan)

落雁(らくがん)は、茶の湯や供物に用いられる上菓子で、薄茶用の干菓子

米や豆、蕎麦、栗などの穀粉に、和三盆や砂糖や水飴を混ぜて着色し、木型に押して固めて抜き取り、加熱乾燥させて作られる

【落雁の歴史・経緯】

【落雁】

 口の中でとろけるような品のよい甘さの茶の湯で用いられる上菓子

 穀類の粉に砂糖や水あめなどを入れて練り、木型に押して乾燥させたお菓子

 社寺への供え物にも、四季の草花や祝い事のための鶴・亀・鯛・松竹梅など様々な形が作られるようになる


 <製法>
 明時代の中国における軟落甘(なんらくかん)に基づく
 予め蒸して乾燥させた米の粉を用いて、水飴や砂糖を加えて練り型にはめた後、ホイロで乾燥させる

 茶の湯上菓子には、糖類に和三盆や精製された糖蜜の少ない黒砂糖が使われる


 <白雪羹(はくせつこう)>
 加熱していないうるち米ともち米の粉を用いて、落雁と同様に水飴を加えて成型し、セイロで蒸し上げた後、ホイロで乾燥させたもの
 口の中に入れると、しっとりして、ほろほろ雪のように溶けるところから名付けられる


 <麦落雁(むぎらくがん)>
 大麦を加熱して挽いた粉「はったい粉」で作るもの

【その他】

 <名称の由来>
 「落雁」は、「空から舞い降りる雁」のことをいい、秋の季語でもある
 明の「軟落甘(なんらくかん)」から「落甘」と略されて転訛したともいわれる
 近江八景の一つ堅田に降りてくる雁の情景「堅田落雁」にちなんで名付けられたともいわれる


 <茶の湯
 松江藩では、松平治郷(松平不昧)が茶の湯と共に和菓子を奨励する
 茶の湯では、落雁が薄茶点前に供される定番の菓子となる


 <干菓子>
 水分の少ない乾燥した水分20%以下の和菓子のこと
 落雁や和三盆、金平糖八ツ橋、煎餅など

 <打ちもの>
 型に入れた菓子の生地を、まな板に打ち付けるようにして取り出すことから「打ちもの」と称される
 桜や樫などの堅い木に模様を彫り込んだ木型が用いられる


 <和三盆>
 徳島県や香川県だけで摂れるサトウキビから作られている砂糖
 黒砂糖をまろやかにしたような独特の風味を持つ
 淡い黄色で、きめが細かい結晶と、口溶けの良さが特徴


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