「京菓子」は、江戸時代に関東で称された京都の和菓子の呼び名
京都では、上菓子屋と、饅頭屋、餅屋が明確に区別されている
<五感で味わう>
京菓子は五感で味わうものとされる
目で色や形を味わう
舌で感触と味を味わう
鼻でその香りを味わう
耳で菓子の銘(名前)を聞いて味わう
<季節>
京菓子は、2週間ごとに季節が変わるといわれ、お菓子に季節を表現することが大切なこととされる
<上菓子(じょうがし)>
宮中や公家、寺社、茶家に納めたり、特別なお祝いのためにあつらえる献上菓子(けんじょうがし)のこと
上菓子を作る専門職人「菓子匠」「御菓子司」などが生まれ
茶道や年中行事の中で洗礼され、長い歴史と伝統を持っている
<おまん(饅頭)、だんご、餅菓子>
普段、庶民が食べるお菓子で、「おまんやさん」「おもちやさん」により作られ、長い歴史と伝統を持っている
京都では、上菓子とは区別され、お茶席や客人へのおもてなしに用いられることはない
<あぶり餅>
今宮神社の門前名物
<粟餅>
北野天満宮の門前茶屋の名物菓子
<おせき餅>
鳥羽街道の名物菓子
<鎌餅>
鞍馬口の茶店で売られた菓子
鎌に似た形で、豊作を祈願するための菓子
<唐板の煎餅>
上御霊神社の社前で売られる菓子
<きつね煎餅>
伏見稲荷大社の門前の名物煎餅
<申餅>
下鴨神社の名物菓子
<長五郎餅>
北野天満宮門前のお菓子
<どら焼>
東寺の弘法さんの日に販売される菓子
<走井餅>
石清水八幡宮の表参道の老舗の菓子
<鳩餅>
三宅八幡宮の名物菓子
<花供曽>
真如堂の涅槃会でお供えされる菓子
<法螺貝餅>
孝明天皇が聖護院門跡で食べられた菓子
<松風>
茶菓子 西本願寺の御用菓子
<みたらし団子>
下鴨神社の神饌菓子
<やきもち>
上賀茂神社の名物菓子
<幽霊子育飴>
六道珍皇寺の近くで販売されている飴
<はなびら餅>
お正月の伝統菓子
<法螺貝餅>
年に一度、節分の日に販売される厄除けのお菓子
<きつね面>
2月最初の午の日 伏見稲荷大社の初午大祭のとき食べる干菓子
<引千切>
雛祭の配り物に使われる菓子
<貝合せ>
雛祭に食べられる貝殻に似た菓子
<桜餅>
桜の名所の嵐山の名物菓子
<かしわ餅>
端午の節句に食べられる菓子
<粽(ちまき)>
端午の節句に食べられる菓子
<麦代餅>
田植えや麦刈りの時の間食の菓子
<嘉祥菓子>
陰暦の6月16日 嘉祥食(かじょうぐい)の儀式にちなみ食べる菓子
<水無月>
6月30日 各神社の夏越祓にちなみ食べられる菓子
<稚児餅>
7月13日 祇園祭の長刀鉾の稚児が位を頂く儀式「稚児社参」で供えられる菓子
<行者餅>
7月16日の宵山に限って食べられる菓子
<吹寄せ>
秋の風情を表した干菓子
<月見だんご>
中秋の名月(陰暦8月15日)など、観月しながら食べるだんご
<亥の子餅>
旧暦の10月亥の日に食べる餅
<葛饅頭>
くず粉を用いて作った透明の生地で、美しく染められた餡(あん)を包んだ上生菓子
<古老柿>
宇治田原町の特産品の干し柿
<金平糖>
表面に角状の突起がある直径1cmほどの球形の砂糖菓子
<真盛豆>
茶事に合う菓子
<州浜>
洲浜の切り口の形の菓子
<清浄歓喜団>
密教の祈祷のときに供えられる唐菓子
<八ツ橋>
箏の形を模した、ニッキ味の名物菓子
<落雁>
茶の湯や供物に用いられる上菓子で、薄茶用の干菓子
<京菓子資料館>
上京区烏丸通上立売上ル 柳図子町(京菓子老舗 俵屋吉富)
京菓子に関する古文書や絵画、和菓子の模型、糖芸菓子などが展示されている
<菓子木型>
押し菓子・上生菓子などを作るときに用いられる木型
京都市の伝統産業の一つ