蜘蛛塚(くもづか)は、源頼光の熱病の原因となった土蜘蛛が棲んでいたといわれる塚
上品蓮台寺の墓所と、東向観音寺に残る
源頼光の、「大江山の鬼退治」と「土蜘蛛退治」の二大伝説の一つ
平安時代中期
武将 源頼光は、原因不明の熱病にかかり病床に伏してしまう
ある夜、源頼光の枕元に怪しげな法師が現れ、「苦しめ、もっと苦しめ」と真っ赤な口をあけ叫び、源頼光を縄で縛ろうとした
源頼光は、すぐさま起き上がり、名刀 膝丸を振りかざし、法師めがけ斬り付けると、法師の姿が一瞬で消えた
早朝、源頼光は、四天王の渡辺綱、坂田金時、卜部末武(平季武)、碓井貞光に、消えた法師の探索を命じた
四天王は、点々と落ちていた真っ赤な血痕をたどると、北野の森の大きな塚にたどり着く
その塚を掘り返してみると、そこに体長1m以上の大きな黒い蜘蛛が苦しそうに動めいていた
四天王は、四人がかりでその蜘蛛を捕獲し、賀茂川の河原にさらした
すると、源頼光の熱病がすぐに治まったという
<上品蓮台寺の蜘蛛塚>
「源頼光朝塚」とも称される
墓所の北隅の大きな椋(むく)の木の下にある
この老木を切り倒そうとした植木屋が、不思議な病にかかって死んだといわれる
<東向観音寺の土蜘蛛塚>
北野天満宮の西南の境内
石灯籠の火袋
元は、七本松通一条上ルの清和院の西門前にあって、源頼光を悩ました土蜘蛛が棲息していたといわる
1898年(皇紀2558)明治31年
開拓に伴い、土蜘蛛塚が崩される
塚の下から発掘された石塔を持ち帰って庭に置いた者の家がまもなく倒産してしまう
その後、その石塔をもらった者も続けて倒産したために、元の場所に戻されたといわれる
1924年(皇紀2584)大正13年4月
土地整理により、土蜘蛛塚が、東向観音寺の境内に移される