伏見のお酒(ふしみのおさけ)

 伏見のお酒(ふしみのおさけ)は、灘(兵庫県)と並ぶ日本酒の二大産地の一つ伏見で作られる清酒

 きめ細かく、まろやかな風味の良質で豊富な伏見の名水から造られ、京料理にもよく合う

 平安時代より盛んに作られ、
 桃山時代伏見城城下町の需要で発達し、
 江戸時代には、京と大坂を結ぶ水路の要衝の宿場町・港町の地酒としての需要により発展する

【伏見のお酒の歴史・経緯】

【伏見のお酒】

 伏見は、酒どころとして灘(兵庫県)と並ぶ日本酒の二大産地の一つ

 比較的低温での発酵、もろみの末期に四段仕込みが行われ、京料理にもあう、口当たりのよいまろやかな風味に仕上がる

 <伏見の名水「伏水」>
 一升の酒に、八升の水がいるといわれる
 奈良時代から、伏見は、水が豊かな地とされ、良質の伏流水に恵まれていた
 カリウム、カルシウムなど、ミネラルをバランスよく含んだ中硬水
 きめ細かく、まろやかな風味の良質で豊富な地下水を使ったお酒づくりが発展する

 <灘の男酒、伏見の女酒>
 伏見の水はミネラル分をほどよく含み、口当たりのよいまろやかな風味に仕上がる
 灘では、伏見よりミネラル分が多めの水が用いられ、すっきりとした辛口のお酒になる

 <酒米「祝(いわい)」>
 丹波・丹後で栽培されている京都産の酒造好適米
 搗精しやすく、低蛋白質で酒造適性が非常に高い、吟醸酒向きの良質品種とされる
 京のブランド産品の一つ
 1933年(皇紀2593)昭和8年
 京都府立農業試験場丹後分場で作られる
 1992年(皇紀2652)平成4年
 約20年ぶりに、伏見で「」の酒が製品化される
 「」の酒は、淡麗な味と独特の芳香を特徴とする

 <「マッタリ」>
 伏見のお酒のように、とろんとした穏やかな口あたりのことを意味する京ことば


【酒どころ伏見】

 街路は、伏見城城下町時代の街割りによって形成されており、
 薩摩藩伏見屋敷や、土佐藩・尾州藩・紀州藩などの屋敷があった広大な敷地跡に、酒蔵が建てられている

 酒の寒造りが最盛となる厳冬期には、蒸米や発酵によって醸し出される香りが酒蔵のあたりに漂っている


 <伏見酒造組合>
 21社、1組合が所属している

 <伏見南浜界わい景観整備地区
 伝統的な伏見酒蔵の町並みの景観が保護されている

 <月桂冠大倉記念館
 白壁土蔵づくりの酒蔵が軒を並べる濠川沿いの一角にある
 伏見の酒造りと日本酒の歴史、酒造りの道具やプラントなどが紹介されている

 <キザクラ・カッパカントリー
 酒造業者 黄桜が運営するテーマパーク
 麦酒工房や清酒工房、黄桜記念館、地ビールレストランなどが設けられている

 <十石舟
 伏見城の外濠だった濠川や合流する宇治川の支流などの運河を巡る観光船
 運河に沿って建ち並ぶ酒蔵群を望める

 <京都市清酒の普及の促進に関する条例>  清酒による乾杯の習慣を広めるために条例が制定されている

【アクセス】

 京阪電車 中書島駅 徒歩約10分
 近鉄電車 京都線 桃山御陵前駅 徒歩約15分


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