数の子は、ニシン(鰊)(鯡)の卵の塊
卵の塊は、長さ約10cm、幅約2cmほどで、細長くなっている
薄皮が付いたまま、メスの腹部から取り出して、天日干しして乾燥させたり、塩漬けにしたものを食用とされる
「塩数の子」と、「味付け数の子」に分類される
一般には「塩数の子」の方が高級なものとして取扱われている
塩数の子は、通常、真水につけて塩抜きをしてから食用とされる
数の子の卵の粒は、イクラやタラコなど他の魚卵と比較すると硬く、歯ごたえや「プチプチ」という音も楽しめる
コレステロールが含まれているが、そのコレステロールを消し去るだけのEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれている
<特産品>
北海道留萌市が、国内におけるニシン加工業のほとんどを占めている
アラスカなどの北米大陸西海岸側のものは、主に塩数の子として、
カナダなどの北米大陸東海岸側のものは、主に味付け数の子として、
ヨーロッパ産のものは、塩数の子、味付け数の子の両方に、それぞれ加工されることが多いとされる
<縁起物>
子孫繁栄を連想させることから、縁起物として用いられるようになり、正月のお節料理や、婚礼に用いられるようになった
一時期は収穫が激減し、「黄色いダイヤモンド」と称される高価な食材でもあった
<お節料理の「三種」>
数の子・たたき牛蒡・ごまめ
お正月のお祝に欠かせない三つ肴で、それぞれ生活姿勢や人生の夢を託して食べられる
<名前の由来>
江戸時代まで、ニシンのことを「カド」「カドイワシ」と称されており、カドの卵を「カドの子」と称されていたのが、
卵の数が多い「カズノコ」と訛った
<北大路魯山人>
「数の子は、塩漬けや生よりも、一旦干した物を水でもどしたものが美味い、数の子に他の味を染込ませてはならない」と記している
また、「数の子は、音を食うもの」とも記している
<子持昆布>
ニシンが、昆布に卵を産みつけたもの