葱とはんぺいのお汁は、10月20日の二十日ゑびすの日のえびす講にいただくお汁(おつゆ)
ゑびすさんの「笹に小判」と称される縁起物の行事料理
福笹に見立てた九条ねぎ(くじょうねぎ)と、小判に見立てたはんぺいの質素な汁物
二十日ゑびすは、10月20日(旧暦9月20日)に行われる恵美須神社の祭事
初ゑびす(十日ゑびす)は、ゑびす大神が海にお帰りになり、二十日ゑびす(えびす講)では、海からおいでになる
十日ゑびすは、建仁寺の鎮守社として恵比須神社を創建した栄西禅師が、
中国 宋からの帰国のとき海上で暴風に襲われ、ゑびす神像に祈念して助かった事にちなみ、
ゑびすさんが誕生された1月10日寅の刻(午前4時)をお祝いして、ご利益にあやかろうとしたのが由来
えびす講は、明治維新以降、東京に呉服などを売りに行った京都の商人たちが、
10月20日には京都に戻り、ゑびす大神を祀って旅の無事と商売繁盛に対する神徳に感謝し、
主人から番頭・丁稚さんなど全員が集まって講をして楽しんだのが由来
商売繁盛の笹は、恵美須神社の独自の御札が広まったもの
笹は「節目正しくまっすぐに伸び」「弾力があって折れず」「常に青々と茂る」といったことから
家運隆昌・商売繁盛のシンボルとなったといわれる
材料は、はんぺい・九条ねぎ・かつお節、または、だしじゃこ・薄口醤油
かつお節かだしじゃこで、だしを取り、醤油で普段のお吸い物よりも少し濃い目の味にする
笹に見せるために、葱を斜めに切る
最後に、はんぺいを丸のまま入れてさっと煮る
九条ねぎは、古くから九条辺りで栽培されていた青葱
葉の内部にぬめりがあり、甘くて柔らかい
はんぺいは、魚のすり身のねりもので小判型にされている