<典座教訓>
食事や調理、食にまつわる行動全般もまた修行のひとつとして、
曹洞宗の開祖 道元禅師が、日本の精進料理の基礎を築き、食事を作る人の心構えをまとめた書物
食材に対する敬意を持つこと
整理整頓を心がけ、道具を大切にすること
食べる人の立場になって作ること
手間と工夫を惜しまないこと
三心が大切であること、などが説かれている
三心(さんしん)
喜心(きしん):作る喜びやもてなす喜び
老心(ろうしん):思いやりや気配り
大心(だいしん):偏りや固執のないおおらかな心
<精進料理>
仏教における戒律に基づく、殺生を避け、煩悩を刺激しない料理
<用いない食材>
殺生を避けるため肉・魚・卵などや、バターやチーズ、牛乳などの乳製品など動物性の食材、
煩悩を刺激する五葷(ごくん)と称される食材は用いられない
五葷(ごくん)は、香りが食後まで残るような香り強い野菜
ニンニク・ニラ・ネギ・ラッキョウ・ノビルなど
扱いは地域によっても異なる
<五味五法>
食材本来の味わいを引き出すための5つの味付け・5つの調理法という和食の基本に基づいて調理される
調理方法は、生・煮る・焼く・揚げる・蒸すの5つ
五味(ごみ)は、苦い・酸っぱい・甘い・辛い・塩辛い
素材の本来の持ち味を生かすため、醤油などを多用せず、濃い淡味(たんみ)をだす
色見は、赤・白・緑・黄・黒の五色を使った献立にされる
<5種類の器と適量>
飯椀には、ご飯
汁椀には、汁物
坪椀に、和え物など
平椀/平皿に、煮物や炒め物など
椿皿に、漬物など
盛り付けられる料理と器が決められている
食べ残しが無いように、器に対してちょうどよい量が盛り付けられる
<食べる作法>
姿勢を正して座り、器は両手で丁寧に扱い、食べる所作を美しくみせる
食べ物を口に入れたら箸を置き、不用意に音を立てず、食べることに集中すること
食べ終わったら、器にお湯やお茶を注いで飲み干し、料理を残さず全ていただく
<居籠祭>
精華町の祝園神社で、毎年正月 初申の日より3日間行われる奇祭
祭礼の間、氏子たちは神さんを迎えるため、決して音をたてないように、家の中に籠り、
料理は一切せずに、作っておいた精進料理を食べ、水もくみ置きしておいたといわれる
<円福寺>
万人講が4月20日と、10月20日に行われる
達磨像が開帳され、祈願をし、赤膳の精進料理を食べると、開運、厄除け、中風除けになるといわれる