京せりは、平安時代初期から栽培されている京の伝統野菜
美しく豊富な地下水からの湧き水が注がれる「せり田」で栽培される
上品な香りと、シャキッシャキとした歯ごたえをもつ
独特のほろ苦さが味を引き締め、色々な料理に用いられている
春の七草の一つ
葉の形、色や香り、栽培地域によって
京せり・青ぜり・お多福ぜり・山科ぜりなどに区別される
柳葉:葉の形がとがったもの
丸葉:葉の形が丸みを帯びたもの
<万葉集>
「あかねさす 昼は田賜びてぬばたまの 夜のいとまに摘める 芹これ」葛城王(巻20-4455)
(昼は田で多忙な仕事をこなし、夜になってようやく摘んだ芹です)
「ますらをと 思へるものを 刀佩きて 可爾波の田居に芹ぞ摘みける」薜妙観命婦(巻20-4456)
(立派な太刀を履いたあなたさまが、泥田にはいり私にために芹を摘んでくださったのですね)
茎は、風味があり柔らかく、葉は、香り高い
独特のほろ苦さが味を引き締め、色々な料理に用いられている
鍋物・すき焼き・炒め物・揚げ物・吸い物・かす汁などのあしらいに用いられる
サッとゆがいてアクを抜き、おひたし・ごま和え・天ぷらなどにもされる
<栄養>
ビタミンA・A2・B2・C・ミネラルが多く含まれ、体脂肪低下にも効果があるといわれる
ビタミンAは、目の網膜に光を感じる物質であるロドプシンを生成するのに必要とされる
ビタミンB2は、たんぱく質の合成に必要で、皮膚や髪、爪、粘膜などを再生させる
ビタミンCは、抗酸化作用が強く、体内の酸化を抑制し老化を防ぐ働きがある
<名前の由来>
摘んでも摘んでも競り合うように新苗が生えてくることから名付けられたといわれる
<七草粥>
お正月の節句(1月7日)に、春の七草を刻んで入れたお粥を食べると、邪気を払い万病を除くといわれる