<縣井(あがたい)>
京都御苑の西側
京の三名水の一つ
かつて、この井戸のそばに縣宮(あがたのみや)があって、
地方官吏など出世を願う人々が、井戸で身を清めて祈願してから宮中に参内したといわれる
江戸時代まで五摂家のひとつ一條家の屋敷があったところ
明治天皇の皇后となった一條美子の産湯に用いられたといわれる
現在は、枯れてしまっている
<祐井(さちのい)>
京都御苑の北東
江戸時代末期から明治時代前期にかけての
公家 権大納言 中山忠能の邸宅にあった
孝明天皇の第二皇子 明治天皇の生誕の地で、産湯にも使われた
明治天皇は「祐宮(さちのみや)」と命名され、2歳のときに、井戸が干天で枯れたため、
新たに井戸が掘られ「祐井」と名付けられたといわれる
<染殿井(そめどのい)>
京都御苑の東側、国立京都迎賓館の裏側
現在は、梨木神社の境内(手水)の染井の水
京の三名水の一つ
平安時代前期
最初の摂政に任じられた藤原良房の邸宅「染殿第」があったところ
染井の水を用いた宮中御用の染所だったといわれる
藤原良房の娘 藤原明子(清和天皇の生母)の御所であり、清和天皇は譲位後ここに移られて「清和院」と称された
藤原良房の屋敷を「染殿」と称されて、 そこにあった井戸の遺構が「染殿井」と称されている
現在も湧き出ており、梨木神社の手水として利用されている
ポリ容器を持って汲みに来る信者も多く、この水を使った茶会が開かれている