牡丹(ボタン)は、一般的に4〜5月に大きめの花を咲かせる花木
花の形や色が豊富な園芸品種が多い
中国原産で、奈良時代に伝わり親しまれてきた
貴婦人のようなたたずまいから美人の形容にもたとえられ
学名の「Paeonia」は、ギリシア語で「医の神」を表す「Paeon」に由来する
原種の花色は紫紅色だが、花色は、赤・赤紫・紫・薄紅・桃・黄・白色と多彩
花形も一重・八重・千重、大輪・中輪と多彩
樹高は、原種で3m、接木で作られる園芸品種は1〜1.5m
寒さには比較的強く地植えにしても冬を越すのは容易だが、夏の暑さには弱い
<春牡丹>
一般的な品種
4〜5月に開花する
<寒牡丹>
春と秋に花をつける二季咲き
通常は、春にできる蕾は摘み取り、秋にできる蕾のみを残して10月下旬〜1月に開花させる
<冬牡丹>
春牡丹と同じ品種を、1〜2月に開花するよう手間をかけて調整したもの
<日本牡丹>
<中国牡丹>
<西洋牡丹(ピオニー)>
<大原野神社> 本殿の傍らに、大輪の牡丹が咲き誇る
<乙訓寺> 約2000株の牡丹が艶やかに咲く
<西雲院>
<常照皇寺>
<平野神社>
<光忠寺>
<枕草子>
日本で最初に、牡丹の花が記されたといわれる
<南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)>
滝沢馬琴の著
牡丹が、獅子の力を押さえ込む霊力があるとされ、牡丹紋を八犬士の象徴とされている
<「牡丹図」(重要文化財)>
大覚寺の宸殿(しんでん)の襖絵
狩野山楽の筆
<「牡丹図」>
玉鳳院の方丈の襖絵
狩野安信の筆
<孔雀牡丹図(重要文化財)>
円山応挙の筆
承天閣美術館所蔵
<牡丹紋(ぼたんもん)>
家紋の一種で、牡丹の花や葉を図案化したものがある
関白 近衛家が、車紋(牛車の紋)として使用したのが最初といわれる
真宗大谷派の宗紋ともされる
<牡丹皮(ぼたんぴ)>
根の樹皮部分
大黄牡丹皮湯・六味地黄丸・八味丸など漢方薬の原料になる
薬効成分はペオノールで、消炎・止血・鎮痛などに効く
<牡丹餅(ぼたもち)」>
ボタンの咲く時期の彼岸(春の彼岸)に供えられたり、食べられるお菓子
<牡丹鍋>
猪肉のお鍋
<語句>
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
「獅子に牡丹」「牡丹に唐獅子」
獅子は「百獣の王」、牡丹は「百花の王」とされ、良い組み合わせといわれる