インクラインは、琵琶湖疏水を活用した、大津から宇治川に至る20.2kmの疏水舟による運送ルートにおいて、
途中の2ヶ所、水路の高低差により船が運行できない急な坂に線路を引き、三十石船をそのまま台車に載せて、
上り・下り運行させた傾斜鉄道
上下の船溜に到着した船が、旅客や貨物を乗せ換えることなく運行できるよう考えられた
春の蹴上インクライン跡は、桜の名所
蹴上船溜と南禅寺船溜の間
延長581.8mで世界最長
標高差は、36mあり、勾配は1/15度
レール4本の複線傾斜鉄道
蹴上インクラインは、形態保存されている
琵琶湖疏水第3トンネルを掘削した土砂を埋め立てて造られた
建設当初は、水車動力でドラム(巻上機)を回転させて、ワイヤーロープを巻き上げて台車を上下させる設計だった
蹴上発電所の完成により、電力使用に設計が変更された
エーブルカー(鋼索鉄道)のような仕組みで運行された
ドラムは、当初は、蹴上船溜の上にあったが、後に、南禅寺船溜北側の建物に移転して改造された
直径3.6mのドラムを35馬力(25kw)の直流電動機で回転させて、直径約3cmのワイヤーロープを巻き上げて運転していた
2段変速できるようになっていた
蹴上船溜の水中には、直径約60cmの縄受車を約9m間隔に設置して、ワイヤーロープが地面に触れるのを防いだ
片道の所要時間は10〜15分かかった
琵琶湖疏水と濠川を結ぶもので、伏見城外堀跡に設置された
延長290.8m
落差を利用した発電所が墨染にも作られた
1966年(皇紀2626)昭和41年に撤去される
<ねじりまんぽ>
インクライン下にある、南禅寺に通じる歩行者専用通路のトンネル
「まんぼ」はトンネルを意味する
トンネルのアーチ式天井は、強度を増すためにレンガが螺旋状に組まれており、ねじれて見える
1888年(皇紀2548)明治21年の建立