八角堂(はっかくどう)は、八幡市にある正法寺の境外仏堂
八幡市立の松花堂庭園の西にあり、前方後円墳・西車塚古墳(にしくるまつかこふん)の円頂部に建っている
鎌倉時代、石清水八幡宮境内の男山西谷に阿弥陀如来を本尊として建立された仏堂
「阿弥陀堂」「八角院」「八角堂元三大師堂」とも称される
<八角堂>
「隅切八角形」と称される正方形の四隅を切り取った八角形
石清水八幡宮固有の建築様式とされる
堂内に安置されていた阿弥陀如来坐像(重要文化財)は、現在、正法寺の法雲殿に安置されている
「阿弥陀堂」「八角院」「八角堂元三大師堂」とも称される
<阿弥陀如来坐像(重要文化財)>
かつて、石清水八幡宮の本地仏で、境内の八角堂に祀られていた本尊
「一光千仏丈六阿弥陀」とも称される
檜材寄木造、彫眼、肉身部は漆箔、衣部は彩色
丈六の像高2.83m、台座・光背を含むと5.8m
中品中生の説法印を結ぶ、光背に13体の化仏がおられる
かつては全体に金箔が施されていたといわれる
廃仏毀釈により遷され、現在は、正法寺の宝物館「法雲殿」に安置されている
<元三大師坐像(重要文化財)>
かつて、石清水八幡宮三の鳥居近くにあった元三大師堂に祀られていたものが、八角堂に祀られていた
平安時代の僧 慈恵大師 良源(元三大師)の像
檜材の寄木造、玉眼嵌入、彩色、像高82㎝
廃仏毀釈により遷され、現在は、正法寺の宝物館「法雲殿」に安置されている
<西車塚古墳(にしくるまつかこふん)>
八幡市市内最大の前方後円墳
松花堂庭園の西にある
古墳時代前期前半(4世紀)のものといわれる
全長115m、後円部の径70m、後円部高さ8m、墳頂部径約40m
古墳西に幅30mの周濠跡がある
石室は、長さ9尺(2.7m)、幅2尺(60.6㎝)、高さ3尺(90㎝)
堆積岩による横積上げ、割石小口積
1902年(皇紀2562)明治35年
八角堂境内工事の際に石室部分が発見された
副葬品は、弥生・古墳時代の5面の鏡や、碧玉製腕飾など256点
中国・朝鮮半島から到来した銅鏡の舶載鏡((はくさい)きょう)
中国鏡を模して日本で作られた銅鏡の彷製鏡(ぼうせいきょう)など
大部分は東京国立博物館に寄託されている
<石碑>
古墳下に建てられている
「西車塚跡 国寶乾漆阿弥陀像 同元横川元三大師像 八角院」と刻まれている
1927年(皇紀2587)昭和2年
三宅安兵衛により建立される
<石標 >
「丹波之阿治佐波昆宝命御墓参為地」と刻まれている