京都印刷発祥之地の記念碑は、京都における近代印刷業の発祥を記念した碑
烏丸通三条通北付近に印刷所 點林堂(てんりんどう)が開業した
地下鉄 烏丸御池駅の南改札口から北改札口へ通じるコンコース階の壁面に、
浮世絵風のデザイン画が描かれた屏風を背景にして石碑が立ている
地下鉄 烏丸御池駅の南改札口から北改札口へ通じるコンコース階の壁面に記念碑が立てられている
<京都印刷発祥之地 石碑>
裏文字で「京都印刷発祥之地」と陽刻されている
横面には「京すりもの ここに始まる」と陰刻されている
「平成二十二年五月建立 京都府印刷工業組合」
高さ約1.6m、横40cm、特級黒御影石
配列された活字をかたどって裏文字で陽刻されている
碑の上面には「京」の裏文字の活字が置かれている
<副碑>
「印刷は文化である」
世界三大発明の一つである「印刷」は、百万塔陀羅尼を始めとするそれまでの木型・金型刷りの技術を進展させ、
著しい情報の伝搬を可能とし、文化の拡張に同調してきた。
我が国の印刷は、明治三年長崎にて本木昌造先生が金属活字による活版印刷を始められたのを創始とする。
明治三年十二月、先生の門人、古川穂次郎氏が京都上京区(現中京区)第廿八組 烏丸通三條場之町 三十三番戸で
「黙林堂」を開業した。
これを「京都の印刷」の嚆矢とする。
山鹿善兵衛氏などが跡を継ぎ、後に三條柳馬場東に移転した。
文字を主とした活版印刷後、絵画に適した石版印刷、コロタイプ印刷が始まり、
オフセット印刷、グラビア印刷等を經て印刷は進歩し、文化に広く浸透し続けるのである。
近年はコンピュータの発達により、印刷はその前工程、後工程も含め急速にその成り立ちを深化させている。
この技術はWEBの成長と共に、情報産業として印刷業務の範囲を拡大し、紙以外への取組みも始まり、
印刷の文化も更なる展開を続けている。
明治二十四年、申合組合として、京都印刷業組合が結成されて壱百貳拾年となる邂逅の本年、
印刷における「京すりもの」の出発点を確認し、陽に繁る樹木の如く、吾らの将来の恒久発展を祈念し、
永く記憶に留める為に、「黙林堂」跡地に、「京都印刷発祥之地」の碑を建立する。
平成二十二年(二〇一〇)五月吉日
京都府印刷工業組合
<屏風>
「京すりもの ここに始まる」
絵画は、京都造形芸術大学の藤井秀雪先生ご尽力により、関本徹生教授に産学協同事業として描かれる
活字や、活字の字母の元になる父型造られていたツゲの木が描かれている
<點林堂(てんりんどう)>
烏丸通三条通上ル付近
京都で最初の近代印刷技術による印刷所
活版印刷技術の先駆者 本木昌造の門人の一人である実業家 古川種次郎により創業される