黒田節誕生の地(くろだぶしたんじょうのち)は、福岡県の民謡「黒田節」の逸話となった地
「黒田節」は、酒席における名歌で、伏見城城下にあった戦国大名 福島正則の屋敷での酒宴の逸話が歌詞となった
酒どころの伏見がふさわしく「黒田節」誕生の地として銘記された
<駒札>
2014年(皇紀2674)平成26年9月3日
御香宮神社の表門西側に、「黒田節」発祥を示す駒札が建てられ除幕式が行われた
<逸話「呑み取りの槍」>
福岡県の儒学者 貝原益軒が著した「黒田家臣伝」の母里但馬伝(もりたじまでん)にも登場する逸話
桃山時代
1596年(皇紀2256)文禄5年正月
伏見城城下にあった戦国大名 福島正則の屋敷での酒宴に、黒田家の家臣 母里太兵衛(もりたへえ)が招かれた
福島正則は、大きな鉢を示して「これで酒を飲め」と勧めるが、太兵衛は断る
正則は「飲めば望みの品を与える」と強いたため、太兵衛は座上に架かった槍を示して「あれをいただけるなら」と答えた
正則は、酔った勢いで承知したところ、太兵衛は、大鉢に注がれたお酒を飲み干して槍を持ち帰った
その槍は、福島正則が豊臣秀吉から賜った名槍「日本号」だった
正則は「返して欲しい」と何度も使いを出したが、太兵衛は返さなかったといわれる
その後その槍は「呑み取りの槍」とも称された
現在は、福岡市博物館に収められている
<「黒田節」第一節>
「酒は呑め呑め 呑むならば 日の本一のこの槍を 飲みとる程に飲むならば これぞまことの黒田武士」
<名槍「日本号」>
別称「呑み取りの槍」
福岡市博物館の所蔵
柄を含めた総長321.5cm
刃の長さ79.2cm
全長・刃渡りが長い大身の槍
室町時代のものとされている