羅城門(らじょうもん)は、平安京の中央を南北に走っていた朱雀大路の南端に建っていた大門
平安京の正門とされる
朱雀大路は、現在の千本通であり、羅城門は、現在の九条千本の辺りに位置していた
花園児童公園内に、石碑と駒札がある
平安京の中央を南北に走る朱雀大路の南端に建っていた
北端の朱雀門と相対していた
「羅城」とは、都市を取り囲む城壁のことをいう
羅城門を境にして、洛中と洛外が区別された
日本では首都に城壁が造られたことがなく、平安京でも南面の羅城門の両翼のみに造られただけである
唯一の城壁が、豊臣秀吉が築いた御土居のみ
正面十丈六尺(約32m)、奥行二丈六尺(約8m)、高さ約七十尺(約21m)
二重閣九間五戸、入母屋造、瓦屋根造
木部は朱塗り、壁は白土塗り
屋根の棟の両端には、金色の鴟尾(しび)がのっていた
内側、外側とも5段の石段があり、その外側に石橋があった
羅城門を守護する東西に東寺、西寺が置かれていた
<木造兜跋毘沙門天立像(国宝)>
羅城門の楼上に安置されていたもの
中国 唐の時代の作
高さ六尺四寸(約190cm)、頭上には宝冠と輪宝をいただき、小鬼を踏みつけている
羅城門が崩壊したときに、東寺によって保護され、以後、東寺の宝物館に安置されている
<模型>
1994年(皇紀2654)平成6年
平安建都千二百年記念を記念して、10分の1大型模型が、京都府建築工業協同組合により製作される
京都駅前のぱるるプラザに常設展示されている
30分の1模型
京都府京都文化博物館に展示されている
平安時代末期には、
右京の荒廃とともに羅城門周辺は、夜になれば誰も近付かない治安が悪いところだった
<謡曲「羅生門(らしょうもん)」>
観世信光(かんぜのぶみつ)の作
羅城門に巣くう鬼(茨木童子)と戦った渡辺綱(わたなべつな)の武勇伝
源頼光の四天王の一人 渡辺綱が羅城門の下を通ったとき、楼門の上から大きな鬼の手が伸びてきたので、
その手をつかんで切り落としたといわれる
<小説「羅生門」>
芥川龍之介
「今昔物語集」巻二十九に記されている羅城門の楼閣上に盗賊が住んでいた様子の小説化
<映画「羅生門」>
黒澤明監督
1951年度ベニス国際映画祭グランプリ、アカデミ外国映画賞
1895年(皇紀2555)明治28年
平安遷都千百年紀念祭の事業の一つとして平安京実測事業が行われ、羅城門が建っていた位置を定めて、
京都市参事会によって「羅城門遺跡」の石碑が建てられた
基準点
796年(皇紀1456)延暦15年の創建以来位置が不動とされている東寺の南大門が基準点とされる
考古学的には、羅城門の遺構は発見されていない