桂離宮(かつらりきゅう)は、桂川中流域西岸に営まれた離宮
修学院離宮と並ぶ、江戸時代初期の代表的な山荘
江戸時代初期
八条宮の別荘として、八条宮初代 智仁親王(としひとしんのう)と智忠親王(としただしんのう)の親子によって、
約50年間かけて造営される
「古書院」「中書院」「新御殿」の3つの書院、茶屋、池泉回遊式庭園から成る
近世の皇族の別荘の実態を伝える貴重なもの
江戸時代初期の造営当初の庭園と建築物が残されており、当時の文化の粋を今に伝えている
池泉回遊式庭園は、日本庭園の傑作といわれる
書院は書院造を基調に建築様式「数寄屋造」を採り入れている代表事例
桂の地は、平安時代より貴族の別荘地として知られ、藤原道長の別荘なども営まれていた
この地は風流な観月の名所としても知られており、
桂離宮の近くの西京区松室には月読神社があり、桂の地名も中国語の「月桂」の故事が由来
桂離宮の書院は「古書院」「中書院」「新御殿」の3つある
いずれも入母屋造、柿葺(こけらぶき)で、書院造を基調としている
<古書院>
<中書院>
<新御殿>
<楽器の間>
茶屋は、松琴亭(しょうきんてい)・賞花亭(しょうかてい)・笑意軒(しょういけん)・月波楼(げっぱろう)の4棟がある
<松琴亭>
<賞花亭>
<笑意軒>
<月波楼>
<園林堂(おんりんどう)>
<桂垣>
<穂垣>
<御成門(表門)>
<御幸門>
<御幸道>
<中門>
<池泉回遊式庭園>
<松琴亭の茶庭(露地)>
<石燈籠>
<住吉の松>
<建築家 ブルーノ・タウト>
昭和時代初期
ドイツから亡命した著名な建築家ブルーノ・タウトが、「日本建築の世界的奇跡」「永遠なるもの−桂離宮」
「泣きたくなるほど美しい」などと絶賛し、装飾がされていない簡素な建築美は、モダニズム建築の造形美にも通じるとして評価した
<ミシュラン観光ガイドブック>
フランスのタイヤメーカのミシュラン社が発行する観光ガイドブックにおいて、三つ星の評価がされている
<桂宮家本邸>
京都御苑の北に、桂宮家の本邸が現存している
敷地の周囲は築地塀で囲まれており、内部には、智仁親王が造営した庭園と池が残る