祇園祭は、7月1日から始まり、7月31日まで、いろいろな行事や祭事が行われる
祇園祭の祭事は、八坂神社の神事と、山鉾町での祭事と、明確に分かれている
山鉾巡行は、山鉾町による疫病退散が目的であり、八坂神社には巡行されない
(くじ取り式も、八坂神社でではなく、以前は、六角堂、現在は、京都市役所で行われる)
八坂神社の神幸祭・還幸祭の神輿渡御は、氏子町内を廻るが、山鉾町を廻るわけではない
山鉾行事は、国の重要無形民俗文化財、ユネスコの無形文化遺産に登録されている
7月1日〜10日 (場所:各山鉾町−主催:各山鉾町)
「吉符入」とは、「神事始め」の儀式
山鉾の各町は、山鉾の収蔵庫を開いて、町会所に設けられた祭壇に鉾の御神体を祀り、
八坂神社の神職により御祓いを受け、1ヶ月間の無事を祈願する
関係者が集まり、その年の祇園祭に関する段取りや当番などの打ち合せが行われる
「囃子始め」
各町会所では、囃子方たちにより笛や鉦(かね)、太鼓を響かせ練習が行われる
7月1日 10時 (場所:八坂神社−主催:長刀鉾町)
長刀鉾の稚児・関係者が、八坂神社に参拝し、祇園祭の無事が祈願される
7月2日 10時 (場所:京都市役所−主催:清々講社)
山鉾巡行の順番が、くじで決められる
京都市長の立会いで、京都市役所会議場で、くじ取りが行われる
7月2日 11時30分から (場所:八坂神社−主催:各山鉾町)
各山鉾の町代表が八坂神社に参拝し祭の無事が祈願される
7月上旬 (場所:八坂神社−主催:淡路島観光協会)
「はも道中」で運ばれた鱧(はも)が奉納される
7月上旬 10時から (場所:八坂神社−主催:京舞井上流)
京舞井上流の門下生たちが揃いの浴衣で参拝する
7月5日 15時から (場所:長刀鉾町−主催:長刀鉾町)
長刀鉾で吉符入が行われ、稚児舞披露(太平の舞)が披露されます
鼓を叩くため両手にバチを持ち、小さな体を優雅に旋回させます
7月6日 15時 (場所:八坂神社−主催:祇園祭花傘連合会)
花傘巡行に奉仕する馬長稚児、児武者の宣状が交付される
7月7日 14時30分 (場所:八坂神社−主催:綾傘鉾町)
綾傘鉾に奉仕の6名の稚児が、八坂神社に参拝し、祭の無事が祈願される
祭礼後、本殿の周りを右回りに3周し拝礼する
7月10日 10時 (場所:長刀鉾町−主催:長刀鉾町)
長刀鉾町の神事に必要な各種の御幣を、八坂神社の神職の奉仕により切り整えられる
7月10日 10時 (場所:鴨川四条大橋南−主催:宮本組)
神輿洗式に使われる神事用水(早朝にくまれた鴨川の水)がお祓いされる
7月10日 11時 (場所:八坂神社−主催:高橋町)
斎竹建を行う高橋町の役員が、八坂神社に参拝し、神事の無事を祈願される
7月10日 13時 (場所:八坂神社)
日本神話「古事記」の語り奉納が行われる
7月10日 16時30分から21時 (場所:八坂神社−主催:祇園万灯会(ぎおんまんとうかい)
神輿洗の神輿を迎えるために、各氏子区内に提燈が立てられ、祇園囃子の音色に合わせて提燈行列が町中を歩く
江戸時代中期から始まったもの
16時30分頃に、行列がお先太鼓の音とともに八坂神社を出発
金獅子・銀獅子・児武者・小町踊など約400名の行列が続く
八坂神社石段下~四条河原町~京都市役所(17:30~18:30頃 舞踊奉納)
~寺町通~四条御旅所~東大路通~円山公園~八坂神社石段下(神輿お迎え)
~神幸道~八坂神社南楼門から帰社(20:30頃)
能舞台で舞踏奉納される(21:30頃)
7月10日 18時頃から (場所:八坂神社・四条大橋南−主催:八坂神社・清々講社・宮本組)
17日の神幸祭に渡御(とぎょう)する八坂神社の3基の神輿のうち、主神を祀る中御座(なかござ)の神輿を鴨川の水で清める神事
祇園祭に集まる神々を迎える意味もあるといわれる
神輿洗の飛び散る水しぶきにかかると無病息災でいられるといわれる
18:00頃、本殿にて奉告祭
神輿3基を舞殿に据え、素戔嗚尊を祀る中御座の1基を担ぎ出す
道しらべの儀:5m程の大松明により、四条大橋までの四条通を往復して道中が清められる
20:00頃、白い法被姿の男衆ら約150人に担がれた中御座の神輿が八坂神社から松明で、神輿の通る道を清めながら先導され、
四条大橋まで運ばれる
四条大橋の中央付近で、神職の祝詞の後、朝のうちに鴨川からくみ上げられた水に榊(さかき)を浸して神輿に振りかけ清められる
20:30頃、八坂神社に還った後、三基の神輿の飾りつけが行われる
7月10日〜14日 (場所:各山鉾町−主催:各山鉾町)
分解収納されていた鉾の組み上げが3日がかりで行われ、懸装が施こされる
高さ約20m、重さ10トンを超す鉾の組み立てに釘は一切使われず、
「雄蝶」「雌蝶」「えび巻き」など「縄がらみ」と称される伝統的な縄締めの技法で組み立てられる
7月12日〜14日 (場所:各山鉾町−主催:各山鉾町)
鉾が建つと、それぞれ曳初めが行われる
山町でも、14日頃には、山の組み立てが行われ、舁き初めが行われる
7月13日 11時 (場所:八坂神社−主催:長刀鉾町)
長刀鉾の稚児が、立烏帽子水干姿で従者を従い騎馬にて八坂神社に参拝して、巡行の無事を祈願する
稚児は、八坂神社に参拝をして位(くらい)をもらう
以後、山鉾巡行まで身を慎み、山鉾巡行では、長刀鉾の正面に乗り、斎竹に張られた注連縄を切る(注連縄切り)
7月13日 14時 (場所:八坂神社−主催:久世町)
綾戸國中神社の氏子の男児から2名の駒形の稚児が選ばれ、八坂神社に参拝する
駒形稚児は、17日の神幸祭と、24日の還幸祭に供奉する
駒形は、木造馬形で、素戔嗚尊の荒御魂を祀る上久世町の綾戸國中神社のご神体とされ、稚児が胸にかける
7月14日 早朝 (場所:御手洗井−主催:手洗水町)
烏丸通錦小路上ルの御手洗水の井戸のふたを開けてお祓いがされる
7月14日 14時 (場所:松原中之町−主催:松原中之町)
松原仲之町の八坂神社で、松仲会の人たちが、潔斎をして特殊神饌を献じる
(場所:各山鉾町−主催:各山鉾町)
7月14日 宵々々山(よよいよいやま)
7月15日 宵々山(よいよいやま)
7月16日 宵山(よいやま)
各山鉾には駒形提燈に灯がともり、祇園囃子が流れる
鉾や山に乗ることもできる町もある
この日だけのお守りさんなども売られる
<屏風祭>
室町通や新町通では、献灯の高張提燈が建てられ、幔幕(まんまく)を張った家では、家の中の座敷に飾られた
代々伝わる屏風などが格子ごしに見学できる
7月15日 早朝4時30分 (場所:四条麩屋町−主催:高橋町)
四条麩屋町角に斎竹(葉が付いた青竹)が建てられる
山鉾巡行の始まりに、長刀鉾の稚児により、この斎竹に張られた注連縄が太刀で切られる(注連縄切り)
7月15日 10時 (場所:八坂神社−主催:日本式包丁道生間流)
日本式包丁道生間流により八坂神社で奉納される
15時からは
今様・日舞・琴曲・剣舞・詩吟・琵琶などが奉納される
7月15日 15時 (場所:八坂神社)
今様など、各種伝統芸能が奉納される
7月15日・16日 18時 (場所:祇園商店街)
四条通の祇園商店街において祇園大茶会が行われる
16日には、各種芸能奉納行事が行われる
7月15日 20時 (場所:八坂神社−主催:八坂神社)
八坂神社で、3基の神輿に神霊を遷す神事
本殿で、神饌が供えられ、祝詞が奏上される
境内の灯が消され、真っ暗な境内で琴が弾かれ、白装束の神職の行列が本殿から拝殿に移り、お神輿に神霊が遷される
7月16日 9時 (場所:八坂神社−主催:祇園祭献茶会)
八坂神社に拝服席・副席が設けられる
表千家と裏千家の家元が隔年交代で奉仕される
2024年(皇紀2684)令和6年は、表千家家元 千宗左宗匠の奉仕にて行われる
7月16日 9時 (場所:東洞院通仏光寺東入)
中御座神輿の神幸列の前を供奉する榊が建てられる
1992年(皇紀2652)平成4年に復興された
かつては、各町内の榊奉斎行列が全てのお神輿に供奉していたといわれ、そのうちの一つ
7月16日 夕方 (場所:四条通−主催:八坂神社)
八坂神社祇園石段下四条通で、いろいろな芸能奉納が行われる
7月16日 18時頃 (場所:八坂神社−主催:島根県人会)
能舞台にて、島根県人会による素戔嗚尊の大蛇退治の舞などが奉納される
7月16日 22時頃 (場所:各山鉾町・八坂神社・四条御旅所−主催:各山鉾町)
翌日の、山鉾巡行の好天を祈願して、各山鉾町の日和神楽が八坂神社の四条御旅所へ囃子を奏でながら参拝する
長刀鉾町は、23時頃、八坂神社で囃子を奉納する
7月17日 9時頃 (場所:各山鉾町・市中−主催:祇園祭山鉾連合会)
疫病退散のため各山鉾町により建てられた鉾9基・山14基の山鉾が、所定のコースを巡行する
四条堺町では、奉行(市長)によりくじ改めが行われる
9:00頃:四条烏丸から、四条通・御旅所・9:45頃:四条河原町・御池通・10:30頃:河原町御池・新町通・11:30頃:新町御池を巡行する
山鉾巡行順はこちら
7月17日 16時 (場所:八坂神社・氏子町・四条御旅所−主催:八坂神社)
八坂神社から神輿3基が氏子町内を回って、山鉾巡行で清められた四条寺町の御旅所へ渡御する神事
16:00頃、本殿にて神幸祭が行われる
18:00頃、久世駒形稚児が先導する中御座、東御座、西御座と、八坂神社南楼門から出発し、各氏子町を巡行する
20:00頃、四条御旅所に到着し、この夜から7日間、24日まで滞在する
無言詣り 誰とも言葉を交わすことなく七夜お参りすれば、願いが叶うといわれる
7月18日〜21日 (場所:各山鉾町−主催:各山鉾町)
後祭の山鉾11基が、釘を一本も使わず縄で組み立てられる
(場所:各山鉾町−主催:各山鉾町)
7月21日 宵々々山(よよいよいやま)
7月22日 宵々山(よいよいやま)
7月23日 宵山(よいやま)
各山鉾には駒形提燈に灯がともり、祇園囃子が流れる
鉾や山に乗ることもできる町もある
この日だけのお守りさんなども売られる
7月23日 9時 (場所:八坂神社−主催:八坂神社煎茶会)
八坂神社にて、煎茶家元会の輪番で奉仕される
祭事の後、常磐殿において、煎茶の拝服席が設けられる
7月23日 13時 (場所:八坂神社−主催:琵琶協会)
能舞台で琵琶の奉納が行われる
7月23日 14時 (場所:御供社−主催:八坂神社)
後祭の神事が行われるにあたり、御供社で、オハケが建てられる
「オハケ」は、石鳥居の右側に幅七尺奥行二尺に芝を敷き、中心に3本の御幣を、四隅に斎竹が立てられる
7月23日 14時頃 (場所:役行者山−主催:役行者町)
役行者山において、修験道の本山聖護院から山伏が来て、護摩焚きが行われる
7月23日 22時頃 (場所:各山鉾町・八坂神社・四条御旅所−主催:各山鉾町)
翌日の、山鉾巡行の好天を祈願して、各山鉾町の日和神楽が八坂神社の四条御旅所へ囃子を奏でながら参拝する
7月23日 23時頃 (場所:南観音山−主催:南観音山)
観音菩薩像をかついで町内を廻る
宵山の最後の行事とされる
7月24日 9時30分頃 (場所:各山鉾町・市中−主催:祇園祭山鉾連合会)
疫病退散のため各山鉾町により建てられた鉾1基、山10基の山鉾が、所定のコ ースを巡行
寺町御池では、奉行(市長)によりくじ改めが行われる
9:30頃:烏丸御池から、御池通・10:00頃:河原町御池・河原町通・10:40頃:四条河原町・四条通・11:20頃:四条烏丸を巡行する
山鉾巡行順はこちら
7月24日 9時30分 (場所:八坂神社・市中−主催:祇園祭花傘連合会)
傘鉾10余ほど・馬長稚児・児武者等列が、所定のコースを巡行
9:30頃:下京中学校成徳学舎を出発・高辻通東・烏丸通北・四条通・四条御旅所
四条通・石段下南・神幸道東・八坂神社:11:00頃帰着
12:00頃、八坂神社では、舞踊等の芸能の奉納が行われる
7月24日 17時頃 (場所:四条御旅所・氏子町・八坂神社−主催:八坂神社)
17日から御旅所(おたびしょ)に鎮座していた三基の神輿が、氏子町内を渡旅する
22:00頃、八坂神社に還幸する
23:00頃、御神霊を本社に遷す祭典が行われる
7月25日 10時30分頃から15時30分頃まで (場所:八坂神社−主催:茂山社中)
八坂神社にて、茂山忠三朗社中により、狂言が奉納される
7月28日 20時 (場所:八坂神社・四条大橋南−主催:八坂神社・清々講社・宮本組)
神輿を鴨川の水で清め、八坂神社に戻り、神輿庫(みこしぐら)に納められる
10時頃から、鴨川四条大橋の南で、神輿洗に使われる鴨川の水をくみ上げた神事用水のお祓いが行われる
20時頃から、神事用水で、神輿が清められる
7月29日 16時 (場所:八坂神社−主催:宮本組)
八坂神社にて、祇園祭の終了を、神前に奉告され、神恩を感謝する
7月31日 10時 (場所:八坂神社疫神社−主催:八坂神社)
八坂神社の疫神社(えきじんじゃ)
茅の輪が設けられ、夏越祓が行われる
この神事で、祇園祭の神事が全て終了する
<祇園執行日記>
1533年(皇紀2193)天文2年6月7日のところには、
「神事コレ無クトモ、山鉾渡シタキ事ヂヤケニ候」と記されていて、
「八坂神社の神事が中止になっても町衆の山鉾は出したい」と官祭から町衆の祭礼へと変化していったことがうかがえる