保昌山(ほうしょうやま)は、祇園祭における山鉾の一つの舁山
祇園祭の山鉾町で最も南に位置する
丹後守平井保昌(たんごのかみひらいやすまさ)と和泉式部の恋物語を表す
丹後守平井保昌(たんごのかみひらいやすまさ)と和泉式部の恋物語
大納言 藤原元方の孫で、武勇・和歌に優れていた保昌は、恋する和泉式部から御所の紫宸殿(ししんでん)前の
紅梅を手折って欲しいという難題を頼まれる
保昌は、苦労して一枝を手折ったが見つかり矢を放たれ、ようやく紅梅を持ち帰って恋を実らせたという
<御神体(人形)>
紅梅を手折ってくる保昌の姿の人形
緋縅(ひおどし)の鎧に太刀をさしている
梨地蒔絵(なしじまきえ)の台に乗せた紅梅を差し出している
1500年(皇紀2160)明応9年
頭が製作される
寛政年間(1789年〜1801年)
胴が、町内の彫刻師 勇祐により製作される
<前懸>
緋羅紗地 蘇武牧羊図(そぶぼくようず)の刺繍
町内に住んでいた画家 円山応挙の原画
1990年(皇紀2650)平成2年に復元新調された
2010年(皇紀2670)平成22年
円山応挙の下絵が「祇園会保昌山前懸胴懸下絵」として京都市文化財に指定される
<胴懸>
町内に住んでいた画家 円山応挙の原画
屏風に仕立てて保存されている
1993年(皇紀2653)平成5年
「巨霊人と白鳳図」の刺繍が復元新調される
1996年(皇紀2656)平成8年
「張騫の虎図」の刺繍が復元新調される
2010年(皇紀2670)平成22年
円山応挙の下絵が「祇園会保昌山前懸胴懸下絵」として京都市文化財に指定される
2枚の胴懸の下絵は、人物と霊獣の組み合わせが異なり「巨霊人と虎図」と「張騫と鳳凰図」と称される
<見送>
福禄寿と弁財天に唐子の「寿星図」綴錦
1798年(皇紀2458)寛政10年の作品
<旧見送>
中国 明時代の「仙人図」刺繍が、掛け軸として保管されている
<水引>
雲龍波濤文様に鳳凰鶴虎の「刺繍鳥獣文」
孔雀の羽を縫い込まれている珍しい刺繍
<財団法人 保昌山保存会>
会所家・土蔵・稲荷大明神社が建つ
1734年(皇紀2394)享保19年
町会所の敷地が、近江屋五郎兵衛から購入
<会所家(京都市指定有形文化財)>
1870年(皇紀2530)明治3年の建立
2階が一部、路地の上にまたがり、その表の間はお祭の時にはお飾り場となる
2階の室内は、長押をまわし、格天井を張り、御神体を安置する中央部を折り上げている
<土蔵>
1808年(皇紀2468)文化5年の建立
<縁結びのお守り>
保昌と和泉式部の恋物語にちなんで、縁結びのお守りが授与される