浄妙山(じょうみょうやま)(JyoumyouYama)

所在地:京都市中京区六角通烏丸西入骨屋町   名所地図情報名所

山鉾:屋台(やたい)

特徴:僧兵 筒井浄妙と、その頭上を飛び越える一来法師の御神体

重量:0.78トン(15位)(2008年(皇紀2668)平成20年7月17日巡行時に測定)

別称:悪しゅう候山(あしゅうそうろうやま)・ビロード山

 浄妙山(じょうみょうやま)は、祇園祭における山鉾の一つの舁山

 平家物語宇治川の合戦を表している

 人形の上に人形を乗せた2体の人形組は、橋弁慶山とともに精緻な匠の技術で製作されている

【浄妙山の歴史・経緯】


【浄妙山の由来】

 平家物語宇治川の合戦
 1180年(皇紀1840)治承4年5月
 平清盛についていた源頼政は、後白河法皇の第2子以仁王を奉じて、源氏再興を企て謀反を起こす
 が、事前に露見し、以仁王は三井寺に逃れ、
 源頼政は、平等院に逃げ込み、追手を防ぐため宇治橋の橋板を取り外した
 平家方の2万8000の軍勢は、押し進んだ先陣が川に落とされ、先に進むことができず、橋の両端の双方から
が射られ戦いが始まる

 源氏方の三井寺の荒法師 筒井浄妙(つついじょうみょう)が、細い橋桁を渡り一番乗りをしようしたが、
一来法師が、その頭上を飛び越え「悪しゅう候、御免あれ」と進み出て、敵陣への先陣をとってしまったという

 筒井浄妙は、黒装束に、を24本をいれた黒の箙(えびら)を背負い、塗籠籘(ぬりごめどう)のに、白柄の大長刀を持つ
 で12人を射抜き、11人に負傷させ、長刀で6人を倒し、太刀を振り回し、細い橋桁を進み、
対岸の平家方まで渡ろうと奮闘していた
 しかしその後、浄妙坊は、63本のが刺さり、何とか平等院門前に戻り逃げ延びたといわれる

 三井寺の阿闍梨慶秀(あじゃりけいしゅう)に使えていた一来法師は、対岸の敵陣へ何とか乗り込みたかったが、
細い橋桁の前で奮戦する浄妙坊が邪魔で前へ出られず、苦慮していた
 そこで、身軽さを活かして、細い橋桁の上の浄妙坊の兜上に手を掛けて飛び越えて、一番乗りを果たしたが、
やがて討ち死にしてしまう





【浄妙山の装飾品】

 真松が立てられず、朱傘が大きく、後部両側に柳を立てて橋の川辺の風景を表している

 <御神体(人形)>
 橋桁の上に立つ僧兵 筒井浄妙と、その頭上を飛び越える一来法師
 一来法師は、浄妙坊の頭に乗せた左手一本で、木片の楔(くさび)で支えられている
 2体の人形は、人間の形をした自然木を骨組に使い、揺れによる反動を抑えるために、浄妙坊は足首以下が
山胴内に深く固定されている

 筒井浄妙は、強面の顔で、金襴の長範頭巾をかぶり、白鉢巻を締め、茶地金襴の鎧下、金鎖籠手、鎧を着て、大長刀を持っている

 一来法師は、真剣な面持ちの白い顔で、金の風折烏帽子に白鉢巻、金小札の鎧、緋羅紗の籠手、金塗鞘の大小を腰に、
右手で長刀を持ち、左手は浄妙坊の兜の上にある

 <黒韋縅肩白胴丸(くろかわおどしかたじろどうまる)(重要文化財)>
 浄妙坊が着用していた鎧(現在は複製を着用している)
 大袖喉輪附、鉄製脛当
 室町時代の作

 <橋桁>
 黒漆塗、擬宝珠(ぎぼし)付
 数本のがささり戦さの凄まじさが表されている

 <前懸>
 中国 明代の仙人桃源境図
 1993年(皇紀2653)平成5年に修繕されている

 <胴懸>
 1985年(皇紀2645)昭和60年から
 長谷川等伯筆の「柳橋水車図(りゅうきょうすいしゃず)」の綴錦にかえている

 <旧胴懸>
 ビロード織の仙人琴棋書画(きんきしょが)
 浄妙山が「ビロード山」と称されていた由来の胴懸

 <後懸>
 長谷川等伯筆の国宝障壁画「桜楓図」(智積院)を元にされている

 旧後懸は、中国 明代の仙人観瀑図
 1993年(皇紀2653)平成5年に修繕されている

 <見送>
 皆川月華の作の「翔、熊鷹の図」
 1984年(皇紀2644)昭和59年の新調

 旧見送は、この町に住んでいた本山善右衛門が織った五爪雲龍文の「かがり織」

 <水引>
 波涛文(はとうもん)の彫刻

 <欄縁>
 他の山とは異なり、漆塗で水引を兼ねるような木枠にして、高浮彫金塗で宇治川の荒波を表している




【神事】

 <聖護院山伏参詣>
 16日
 聖護院門跡の山伏約30人が、六角堂を出発し、法螺貝を吹き鳴らし、錫杖(しゃくじょう)を響かせながら、
修験道に縁のある7つの山を巡拝し、御神体の前で般若心経を唱え、巡行の無事や町内の発展を祈願する

【その他】

 <お守り>
 勝運勝守が授与される





【浄妙山へのアクセス】

 市バス 四条烏丸 徒歩数分
 阪急電車 烏丸駅 徒歩数分
 地下鉄 四条駅 徒歩数分

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