翁山鉾(おきなやまほこ)は、亀岡祭の山鉾の一つ
能楽で、豊年を祈り繁栄を祝うときに演じられる「式三番」の白い面の翁と黒い翁面をつけた三番叟(さんばそう)にちなむ
白色尉と黒色尉のお面をご神体とされる
能楽の催しの最初に「式三番」が演じられることから、クジ取らずで、毎年、山鉾巡幸の先頭を務める
直径145cmの山鉾11基の中で一番大きな車輪をきしませて、一番長い距離を巡行する
江戸時代中期
1764年(皇紀2424)明和元年頃以降、一時途絶える
1829年(皇紀2489)文政12年
ご神体の人形や、前懸、天幕などが整えられて再興する
昭和時代末頃
ご神体の人形が新調される
白色尉と黒色尉のお面をご神体とされる
「式三番」に、白い面の翁(おきな)と黒い翁面をつけた三番叟(さんばそう)が登場する
白色尉は、「式三番」の翁にのみ使用される面
下がり目は全体がくり抜かれ、長いあごひげや、大きなまゆ毛が特徴的
翁の役を務める役者はお面をつけずに登場して、舞台上でお面を着ける
<前懸>
西陣織の大型綴錦「三国志桃園の結義図」
三国志の主人公の劉備・関羽・張飛が描かれている
1829年(皇紀2489)文政12年10月吉日の再興のときに新調される
2006年(皇紀2666)平成18年に修理されている
<見送>
西陣織の大型綴錦の「鳳凰額八仙人図」
1829年(皇紀2489)文政12年10月吉日の再興のときに新調される
2005年(皇紀2665)平成17年に修理されている
<下水引幕>
本緋沙羅地に本色羅紗、および、手刺繍「雲龍の阿吽の図」
2007年(皇紀2667)平成19年に復元新調
<見送幕下幕>
19世紀の李氏朝鮮の毛綴織「楼閣宮廷図李氏朝鮮毛綴」
<天水引幕>
本緋沙羅地に本色羅紗および手刺繍「翁面図(白色尉・黒色尉の面の図)」
2010年(皇紀2670)平成22年に復元新調
<胴懸>
「三色赤紺緑羅紗地」
2005年(皇紀2665)平成17年に復元新調
<網隠>
1994年(皇紀2654)平成6年の新調
<能楽「式三番(しきさんばん)」>
能楽の演目から歌舞伎舞踊や日本舞踊にも取入れられている
「翁」「神歌」とも称される
とても神聖かつ尊い演目とされ、女性による上演は制限され、役者は一定の身を清めることが行われる