竹伐り会式(たけきりえしき)は、6月20日に鞍馬寺で行われる水への感謝と吉事の招来を祈る行事
僧兵の姿をした鞍馬法師らが、大蛇に見立てた長さ4m、太さ10cmほどの青竹を伐る速さを競い合う
丹波座、近江座に分かれて、両地方の1年間の豊作を占い、水への感謝を捧げ、破邪顕正が祈願される
京都の奇祭の一つ、都名所図会にもその様子が描かれている
鞍馬寺本堂で行われる蓮華会(れんげえ)の法会に付随する行事として行われる
「七仲間」と称される鞍馬の住民組織のうち大惣法師仲間(おおぞうほうしなかま)の人たち
五条袈裟(ごじょうげさ)を頭に巻き付けた僧兵の姿をした8人
2人組で、2組づつ、本殿にむかって左に丹波座、右に近江座の両座に分かれる
<七度半の御使>
牛若丸(源義経の少年期)の装束をした二人の稚児が、導師や丹波座と近江座の両座の間を行き来して挨拶をする
<竹ならし>
1組1本づつ、長い雄竹を伐って、勝負に使う竹の長さを4mほどにそろえる
もう一本の雌竹は雌の大蛇に見立て、伐らずに、神事の後で再び山に戻される
<蓮華会法要>
<舞楽「南天招福の舞」>
南天は「難を転じて福となす」といわれ縁起物とされる
竹を伐る大惣法師も、腰に南天の葉をはさんでいる
<竹伐り会式>
導師が檜扇を開いて3度上下し、その3回目を合図として ほら貝の合図 一気に竹を伐っていく
2人組で、一人が青竹を支え、
一人が山刀を振り下ろし、4mほどの青竹を4つに伐り分ける
早く伐り終えた法師が、かけ声をあげて本殿から駆け下りていく
儀式の後の竹の切れ端は、お守りになるといわれる
<故事>
平安時代初期
峯延上人(ぶえんしょうにん)が、鞍馬山での修行中に、雄の大蛇に襲われる
峯延上人は、法力によって退治し、その亡骸を切り刻んだといわれる
そのあと、雌の大蛇が現れるが、暴れなかったため命を助けると、鞍馬寺の香水(こうすい)(本尊にお供えする水)を
絶やさないと誓ったといわれ、閼伽井護法善神(あかいごほうぜんじん)として祀られたといわれる
<閼伽井護法善神社(あかいごほうぜんじんじゃ)>
本殿金堂の右隣にあり、水の神が祀られている
峯延上人が退治した2匹の大蛇が閼伽井護法善神として祀られている