五月満月祭(うえさくさい)は、5月の満月の夜、鞍馬寺で行われる儀式
満月に灯を捧げ清水を供えて、満月から宇宙の大霊の力を得て、自己の魂とすべてのものの「めざめ」のための熱い祈りを捧げる
5月の満月には、天界と地上の間に通路が開け、ひときわ強いエネルギーがふりそそがれるといわれる
その夜、満月に清水を捧げ、心のともし灯を輝かせつつ、ふりそそがれる神秘的なお力を身に受けて、
自分とすべてのものの「めざめ」のための熱い祈りを捧げる
鞍馬寺の本殿の前庭で、 「一人一願成就祈願」を行い「お力の宝棒」の護符と「心のともし灯」のろうそくをさずかる
祭事は3部に分かれ、ひと晩かけ早朝まで行われる
<地鏡浄業(きよめの祈り)>
午後7時頃
自己と祭場の浄化のために魔王尊を讃仰(さんごう)する
お経が唱えられる中、尊天ご宝前の「消えぬ灯」より移された灯を、参列者前方者の「心のともし灯(ろうそく)」に移される
その灯を各自後者の方に移していき、一人一人が持つ純粋無垢な心の象徴の「心のともし灯」に灯が点される
祭場がともし灯に埋まると、銀碗に清水を満たし月に祈りを捧げる
ともし灯を高く掲げて、「真実に生きぬくための強い力を与え給え」と「お力の宝棒」の加持を受け、
月光のふりそそがれた明水を、みんなでわかち頂き、慈愛のみ恵みを心に満たす
<月華精進(はげみの瞑想)>
午後10時頃
お経が唱えられる中、月光を受けながら大地に腰をおろし静かに瞑想を行う
<暁天明覚(めざめ)>
引き続き
金剛床(こんごうしょう)の上に積まれた火床が灯され、お経を唱えながら「一人一願成就祈願」の札が燃やされ、
智慧(ちえ)の光を輝かせ真実に生きることへの「めざめ」を象徴する聖火が燃える
参列者全員で「心の書」を唱え、魂のめざめを迎える