承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)は、相国寺境内にある美術館
相国寺創建600年記念事業の一環として建立され、
相国寺と金閣寺(鹿苑寺)・銀閣寺(慈照寺)・塔頭寺院などが所有する美術品を受託し、
保存、展示公開・修理・研究調査・禅文化の普及を目的として創立された
「承天閣」とは、相国寺の正式名称「相国承天禅寺(しょうこくじょうてんぜんじ)」にちなむ
国宝5点、重要文化財142点を含む多くの文化財が収蔵されている(2009年11月時点)
<紙本墨書 無学祖元墨蹟「与長楽寺一翁偈語」(国宝)>
相国寺所蔵
執権 北条時宗に招かれ来日し、鎌倉 建長寺で禅を教えていた無学祖元禅師(むがくそげんぜんじ)が、
群馬の長楽寺第3世住職 一翁院豪(いっとういんごう)に与えた自筆の喝語
一翁は、かつて宋に渡り、無学祖元とともに同じ師から学んでいた
来日した無学祖元を訪ねてきた一翁に、無学祖元が一翁の学識の深さを讃えてしたためた詩
<玳玻盞散花文天目茶碗(国宝)>
相国寺所蔵
鼈甲(べっこう)に似た斑文と、釉調があることからその名前が付けられた
玳玻(たいひ)の「玳」は、ウミガメの鼈甲の材料となるタイマイ(玳瑁)のこと
「玻」は、ガラスのことで、釉薬(ゆうやく)のガラス質を表す
閉館した萬野美術館から受け継いだもの
<白雲紅樹図(重要文化財)>
池大雅の作
<七難七福図巻(重要文化財)>
1768年(皇紀2428)明和5年
円山応挙の作
<孔雀牡丹図(重要文化財)>
1771年(皇紀2431)明和8年
円山応挙の作
<夕佳亭>
第一展示室
金閣寺(鹿苑寺)境内に建つ金森宗和の建立といわれる「夕佳亭」が復元されている
<鹿苑寺大書院障壁画 葡萄小禽図床貼付(重要文化財)>
第二展示室
伊藤若冲の筆
金閣寺(鹿苑寺)の大書院の障壁画の一部「葡萄小禽図」「月夜芭蕉図」