紫織庵(しおりあん)は、新町通六角上ルにある「京のじゅばんと京町家」の美術館
川崎家住宅は、京町家の和風の中に洋風を巧みに取り入れた建築様式で、京都市指定有形文化財に指定されている
一年を通じて、祇園祭期間中と同様に「屏風祭」が再現され公開されていた
京都市指定有形文化財
敷地:240坪
通り側に門と塀を設けられており、奥へ順に、茶室、洋館、玄関棟、主屋、便所浴室棟、土間2棟がある
設計:武田五一
塚本与三次(京都商事株式会社の創始者)も設計に参与したといわれる
アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト(旧帝国ホテルなどを設計)の建築を参考にして設計されている
旧帝国ホテルと同様に、外壁に大谷石と煉瓦タイルが貼られている
大工棟梁:上坂浅次郎(こうさかあさじろう)(明治時代・大正時代に活躍した数寄屋大工)
<玄関>
お客さん用・家人用・使用人用と3ヶ所ある
<茶室「紫織庵」>
前庭にある長四畳の小間、南側に3畳の水屋がある
下座床があり、点前座には北山杉の中柱が立ち、雲雀棚がある
炉は台目切
入口は、2枚障子の貴人口がある
設計:数奇屋の名工 上坂浅次郎
<玄関棟 1階洋間(チークの間)>
濠天井に寄木貼り床、電熱式暖炉があり、内装の木部はすべてチーク材が使用されている
当時、流行したFLライト風のデザインに仕上げられている
広緑のガラス戸は、すべて建築当初の「波打ちガラス」で一枚も破損していないといわれる
<主屋>
中廊下がある、ほぼ総二階の建物
2階にも本格的な座敷や洋間がある
<主屋 1階客間>
15畳の和室
付書院・床の間・床脇(天袋・地袋)がある最も格式の高い部屋とされ、正客を迎える部屋として利用されてきた
<主屋 1階仏間>
12畳半の和室
<欄間>
客間と仏間の境の欄間には、日本画家 竹内栖鳳の作の「東山三十六峰」が桐正目の一枚板に彫刻されている
<主屋 2階洋間サロン>
20畳
暖炉・ステンドグラスをはめ込んだ窓・シャンデリア・数木細工の床・鎌倉彫りの壁など、大正時代の豪華な造りとなっている
<玄関棟 鉾見台>
2階屋上
祇園祭の山鉾巡行や五山の送り火を見るためのもの
<織部マリヤ燈籠>
竿の上部が左右に張り出して十字架に似せ、下部にマリア像が彫られている
織部流茶道の祖 古田織部がキリスト教信者で、信者や茶人の好みに合うように創作したものといわれる
<2棟の蔵>
切妻造、本葺、2階建ての土蔵が、敷地西側に、大小の蔵が2棟並んで建っている
北側:桁行4間・梁間3間半、28畳、道具類や建具が保存されてきた
南側:桁行2間・梁間3間、12畳、祭や行事に使う衣装などが保存されてきた
<屏風飾>
年間を通して、祇園祭の屏風飾が行われている
<長襦袢資料室>
錦紗・古浜ちりめんなど、明治時代から昭和時代初期の長襦袢(ながじゅばん)や下絵が展示されている