オオミズナギドリ(大水薙鳥)は、京都府の鳥
舞鶴市の冠島が、日本最初の「オオミズナギドリ繁殖地」として国の天然記念物に指定されている
全長約50cm、翼開長約120cm、体重約500g
ミズナギドリ科の中では最大の種
体の上面や翼の上面は灰色がかった褐色の羽毛で覆われ、体や翼の下面は白色羽毛で覆われている
翼角から脇にかけて黒い縦線模様がある
くちばしは細長めで先端は鉤型をしており、くちばしの上に、長い管のようなものがある
足はピンク色
翼を長く伸ばし、ゆったりと羽ばたいたり、翼に風を受けて風上へ飛行することもよく行なっている
風が強いと、波形が上下に高くゆれます
風のない時には、はばたきながら海上を走って舞い上がる
海上を飛ぶ様子が薙刀(なぎなた)で水を切るように見えることから、水薙鳥と名付けられた
離着陸が不器用で、傾斜した斜面を利用したり、傾斜した樹などに登り、落下する加速で飛び出す
食べ物は、魚類
一昼夜、飛び続け、1,000km以上も離れた海域へ餌捕りに行くこともある
太平洋西部の日本とその近海の離島で繁殖する
アジア南部、オーストラリア近海まで分布している
<京都府の鳥>
1965年(皇紀2625)昭和40年
オオミズナギドリが、「京都府の鳥」に定められる
<舞鶴市冠島>
京都府で唯一、オオミズナギドリが生息しているところ
舞鶴市街地の北、約28kmに位置する無人島
面積約22.3ヘクタール、最高地点の標高169.7m
外敵が少ないこと、エサとなる魚群が多いこと、営巣しやすいことなどで繁殖地になっているといわれる
国の天然記念物に指定されており、許可なく無断での上陸が禁止されている
<国の天然記念物>
1924年(皇紀2584)大正13年
舞鶴市の冠島が、日本最初の「オオミズナギドリ繁殖地」として指定されている
その他、国内で5,6ヶ所で国の天然記念物の指定がされている
<冠島での繁殖>
オオミズナギドリは、太平洋やインド洋に生息する鳥で、繁殖のために日本へやって来る
2月下旬頃、南方から飛来してくる
土の中に横穴を掘り、直径約30cm、奥行約1mほどの巣穴を作る
5月中旬〜6月中旬に、交尾を行う
6月中旬頃、鶏(ニワトリ)のLサイズくらいの卵を、1個産卵する
8月中旬頃、雌雄が昼夜交代で抱卵し、孵化する
11月上旬に、推定約20万羽が、冠島を離れて南方に向う
<オオミズナギドリの保護>
11月上旬に、冠島を離れるときに、悪天候や体力不足等により、舞鶴市やその周辺で落下する個体がいる
年により、数羽から数十羽
落下したオオミズナギドリは、その場からは飛び立つことはできず、
市の職員が連絡を受けて保護のため回収、あるいは、直接、保護して持参してもらう
保護された個体は、体重や翼長などを計測され、足輪を付けて、飛び立てる場所まで運んで放鳥される