新風館(しんぷうかん)は、中京区にある京都中央電話局のレンガ作りの複合商業施設
エースホテル京都、ミニシアターのアップリンク京都や、約20の店舗が入居している
原形となる鉄筋コンクリート造の洋館は、逓信省営繕課技師 吉田鉄郎による設計の京都中央電話局
歴史的建築物を活かして再開発されたホテル・店舗・映画館からなる複合施設
「伝統と革新の融合」というコンセプトで、街のランドマークとなる場所
ヨーロッパのパティオのように中庭を囲んで全体がL字型になっている
中庭には、工事中に発掘された室町時代の庭園石組みが再現され、
京都の和の伝統を引き継ぐ木組みがされている
姉小路通、東洞院通に対しては、細やかなメッシュで、それらの通りの繊細さに応答されている
ルーバーとメッシュは、光と風を優しくろ過する環境装置となっている
コンクリートに酸化鉄が混入されて、塗装に頼らない暖かい発色がされている
<街の回遊性向上>
敷地内を、烏丸通から東洞院通まで東西に貫通するパッサージュ(店舗が並ぶ公共的通路)が設けられている
既存棟と新築棟の間の中庭を介して北側の姉小路通とも繋がる
地下2階では地下鉄とも直結して地域の歩行者ネットワークを構築している
<商業施設「新風館」への改装>
2001年(皇紀2661)平成13年
将来の再開発を前提に、旧京都中央電話局の外観をそのままに改装される
事業主:NTT都市開発
設計:NTTファシリティーズと、イギリスのリチャード・ロジャース
施工:清水建設
建築デザイン監修:隈研吾建築都市設計事務所
<名前「新風館」>
京都に新しい風を吹かせたいという想いから名付けられた
<施設>
エースホテル京都
地下1階の映画館「アップリンク京都」
パッサージュや中庭廻りに並ぶ、新業態を含む約20店舗の商業ゾーン
<旧京都中央電話局>
原形となる鉄筋コンクリート造の洋館
後に、NTT西日本の京都電電ビル西館となる
設計は、近代モダニズムの先駆者と称される逓信省技師の吉田鉄郎