教行信証(きょうぎょうしんしょう)は、親鸞聖人が著した、浄土真宗の立教開宗の根本聖典
親鸞聖人の師 法然が著した「選択本願念仏集」の解説書で、その正当性が論証されている
<浄土真宗立教開宗の書>
1224年(皇紀1884)元仁元年4月15日
親鸞聖人が「教行信証」を著したことをもって、浄土真宗が立教開宗とされる
草稿本が完成したとされる4月15日を「真宗立教開宗記念日」と定めている
浄土真宗の教法の綱格を示した根本聖典
全6巻
「仏説無量壽經」を唯一の根本聖典とし、教・行・信・証・真仏土・化身土の構成で、この世での往生成仏が体系的に説かれている
<教>
釈迦の説いた教え「仏説無量壽經」
「本願を宗とし、名号を体とする」釈迦が、この世に生まれた本来の願いとする教え
このお経に説かれた法義が、行信証の因果となる
<行>
教えの通りに行うこと
破闇満願の本願力の働きにより衆生を往生成仏させる行法
<信>
行法を領受した三心即一の無疑の信心
体は名号で、仏の大智大悲心でもあり、涅槃のさとりを開く因となり「信心正因」という
「他力本願(阿弥陀仏の慈悲のはたらき)」を信じることを説いている
<証>
行信の因徳が仏の果として現れる「験現」
「涅槃」とも「滅度」とも称される
<真仏土>
証の現れる光明無量・寿命無量の大涅槃の境界
<化身土>
権化の教と、邪偽の教を区分し明かされている
坂東本(国宝)は、浄土真宗の宗祖 親鸞聖人が著した「教行信証」の自筆本
現存する親鸞聖人の唯一の真筆の書
坂東報恩寺を経て、東本願寺(真宗大谷派)が所蔵している
京都国立博物館へ寄託されている
<修復事業>
2003年(皇紀2663)平成15年7月
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念事業として、約2年かけて坂東本の修復が行われた
先のとがった木や象牙などで紙にくぼみを付ける「角筆」の書き込みが約700カ所見つかり、
それらも親鸞聖人の直筆の可能性が高いとされる