普賢菩薩(ふげんぼさつ)は、仏像における菩薩の一つ
智慧を司る文殊菩薩とともに釈迦如来の右脇侍として祀られることが多い
蓮華座を乗せた6牙の白象に結跏趺坐して合掌する姿で描かれる
「法華経」を信仰する行者を守護し、世界中のどこにでも現れ、仏の慈悲と理知によって人々を救う賢者とされる
女人成仏を説く法華経に登場することから、特に女性からの信仰を得た
<サンスクリット語(梵語)での名前>
サマンタバドラ
「普く賢い者」との意味があり、世界中のどこにでも現れ、仏の慈悲と理知によって人々を救う賢者であるといわれる
「三曼多跋陀羅」などと音写される
<説かれている経典>
「華厳経(けごんきょう)」
「仏説観普賢菩薩行法経」
「法華経」
普賢菩薩が「法華経」を信仰する行者を守護すると説かれている
「法華経」には、女人往生が説かれていることから、平安時代に女性から広く信仰された
<普賢行願(ふげんぎょうがん)>
「華厳経」によると、十願をたて、これらを完全に実行して実現したとされる
自らの悟りと衆生の救済を求める菩薩の理想を示すものとされ、
諸経典では、一般の人々もそれを追求するよう勧め、普賢菩薩の実現した功徳にあやかれると説かれている
1 礼敬諸仏:すべての仏を敬う
2 称賛如来:すべての如来の徳を称賛する
3 広修供養:すべての仏に仕えて供養をする
4 懺悔業障:自ら過去の罪を懴悔して精練を保つ
5 随喜功徳:諸仏の功徳に心から感謝する
6 請転法輪:すべての仏に教えを説くことを請願する
7 請仏住世:諸仏が世に永らえることを請願する
8 常随仏学:常に仏に従って学び行動する
9 恒順衆生:すべての衆生の救済が実現するように願う
10 普皆回向:自らの功徳をすべて悟りに振り向ける(回向する)
<姿(像容)>
六牙の白象の背の蓮華座に結跏趺坐して合掌する姿で描かれる
釈迦如来の右脇侍の場合には、右手を如意、左手を与願の印に結ぶ
<釈迦三尊>
釈迦如来の右脇侍として文殊菩薩と共に三尊で並ぶことが多い
<密教の胎蔵界曼荼羅>
中台八葉院の南東隅におかれる
左手に宝剣を立てた蓮茎を持ち、右手は三業妙善の印を結ぶ
<普賢延命菩薩>
延命のご利益のある
22手があり、3つや4つ頭の象に乗っている場合は、普賢延命菩薩像の場合が多い
<金剛手菩薩(こんごうしゅぼさつ)>
密教では、真理を究めて悟りを求めようする菩提心の象徴とされ、同じ性格を持つ金剛薩た菩薩と同一とされる
そのため、金剛薩た菩薩の別名でもある金剛手菩薩とも称される
<眷属(お使い)>
十羅刹女が普賢菩薩のお使いとされ、十羅刹女たちの母鬼子母神も眷属とされる
「法華経」において、普賢菩薩と十羅刹女が共に「法華経を護持する者を守る」と誓っていることによる
これらの女神がいることからも、女性からの信仰を厚くしているといわれる
<真言>
オン・サンマヤ・サトバン
<松尾寺>
絹本著色 普賢延命菩薩像(国宝)
美福門院の念持仏を描かれたものといわれる
<妙法院>
木造 普賢菩薩騎象像(重要文化財)
<岩船寺>
木造 普賢菩薩騎象像(重要文化財)>
<清凉寺>
木造 普賢菩薩騎象像(重要文化財)>
<真如堂>
絹本著色 普賢菩薩像(重要文化財)
<醍醐寺>
絹本著色 普賢延命像(重要文化財)
<智恩寺>
絹本著色 釈迦三尊像一幅(京都府指定文化財)>
その他、普賢菩薩像が祀られている寺院など
<大光明寺>
<頂妙寺>
<延暦寺>
<法華寺>
<放生院>
<法住寺>
<清水寺>
<南禅寺>
<立本寺>
<隨心院>
<後鳥羽天皇大原陵の法華堂>